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スリランカに医薬品を
تم النشر بتاريخ 9 آذار 2023
監督委員会は、経済危機の際にスリランカへの医薬品の寄付を要求するFacebook投稿を引き続き掲載するというMetaの決定を維持しました。
本決定の内容はシンハラ語およびタミル語でもご覧いただけます。
මෙම තීරණය සිංහල භාෂාවෙන් කියවීමට මෙතන ක්ලික් කරන්න.
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事例の概要
監督委員会は、経済危機の際にスリランカへの医薬品の寄付を要求するFacebook投稿を引き続き掲載するというMetaの決定を維持しました。ただし、委員会は、非公表の裁量によるポリシーの適用除外はMetaの人権保障責任に相容れないと判断し、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する透明性と一貫性を向上させるよう勧告を行いました。ポリシーを厳密に適用すると本来の目的に反する結果を生むことになる場合に、この例外を適用することでコンテンツが許可されることになります。
事例の内容
2022年4月、スリランカのある医療系労働組合のFacebookページに、スリランカに対する薬物および医療物資の寄付を要求する画像が投稿されました。投稿には、寄付を行うためのリンクが添えられていました。
その当時、スリランカは深刻な政治・経済危機の最中にあり、外貨準備高が不足していました。その結果、医療用品の85%を輸入するスリランカには、薬物を輸入する資金がありませんでした。医師らは、病院に薬品や必需品が不足していると訴え、医療崩壊が差し迫っていることを恐れていると述べました。
本事例のコンテンツを見つけ出したのは、スリランカ危機のリスクのモニタリングを担当するMetaのチームでした。Metaは、この投稿が医薬品を要求するコンテンツを禁止する、制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定に違反すると判断したものの、「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を適用しました。
ポリシーの基本理念やMetaが重んじる価値観により、ルールの厳密な適用とは異なる結果が求められる場合には、「ポリシーの趣旨」に則った例外を適用することでコンテンツが許可されることになります。大規模な例外は個別の投稿ではなく、コンテンツのカテゴリ全体に適用されます。制限されている商品およびサービスに関するポリシーの基本理念には、「安全を促す」という目的が記載されています。Metaは、本事例の審査を委員会に要請しました。
主な調査結果
監督委員会は、この投稿が制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定に違反すると判断します。しかしながら、「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を適用して当該コンテンツ、およびこれに類するコンテンツを許可することは適切であり、Metaが重んじる価値観や同社の人権保障責任に沿ったものであったと考えます。
人々の健康や安全が重大な危険にさらされていたというスリランカの危機的状況の中で、当該例外はコミュニティ規定の「安全を促す」という目的、および健康に対する権利を追求するものでした。薬物の寄付にはリスクが生じ得るものの、スリランカには緊急のニーズがあったことから、Metaが措置を講じるだけの正当な理由がありました。
ただし、委員会は、「ポリシーの趣旨」に則った例外がスリランカ市場に加え、スリランカ国外においてシンハラ語で投稿されるコンテンツにも適用される「可能性」があるとMetaが述べたことに懸念を抱いています。Metaは、例外が適用されるケースについて明確にすべきです。また、不用意に差別が生じることがないよう、影響を受ける人の民族・言語の多様性にも敏感になって大規模な例外を適用する必要があります。スリランカにはシンハラ語とタミル語という2つの公用語があり、タミル語は主にタミル人とイスラム系少数民族を話者とします。
また、委員会は、Metaが人権保障責任を果たすには、「ポリシーの趣旨」に則った例外について利用者の理解を深め、例外を一貫して適用するための措置を講じる必要があると判断します。
コンテンツを報告する利用者には「ポリシーの趣旨」に則った例外がいつ有効になるかが知らされておらず、利用者は例外の存在について知る由もありません。コミュニティ規定では「ポリシーの趣旨」に則った例外について言及されていません。透明性センターでは、委員会による勧告もあり、他の人に知らせる価値に関する例外についての情報が記載されていますが、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関してMetaは情報を公開していません。非公表の裁量によるMetaポリシーの適用除外は、Metaの人権保障責任に相容れません。
「ポリシーの趣旨」に則った例外の開始と終了に関して適用される明確な基準は制定されていないようです。委員会は、決定が一貫して行われるよう徹底するにあたり、こうした基準が重要であることを強調するとともに、Metaに対し、当該基準を公表するよう勧告します。また、同一目的のために例外をたびたび使用する場合には、関連するポリシーに独立した例外規定を設ける必要があるかどうかをMetaが評価すべきだと考えます。
監督委員会の決定
監督委員会は、Facebookに投稿を引き続き掲載するというMetaの決定を維持します。
また、委員会はMetaが次の対応をするよう勧告します。
- 透明性センターにおいて「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報(例外の大規模適用の有無を判断する際にMetaが用いる基準を含む)を公開すること。
- ポリシーの基本理念やMetaが重んじる価値観により、ルールの厳密な適用とは異なる結果が求められる場合には例外が適用される旨をコミュニティ規定で説明すること。この説明では、透明性センターで公開する「ポリシーの趣旨」に則った例外の情報へのリンクを張る必要があります。
- 報告されたコンテンツに「ポリシーの趣旨」に則った例外が適用される場合に、報告者に通知すること。
- 適用された「ポリシーの趣旨」に則った例外について、適用件数や影響のあった地域・言語などの集計データを透明性センターで公開すること。
* 事例の概要はその事例の要約であり、先例としての価値はありません。
事例に関する決定の詳細
1. 決定の概要
委員会は、スリランカでの医薬品の寄付を要求するFacebook投稿を引き続き掲載するというMetaの決定を維持します。同コンテンツはMetaの制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定に違反するものの、Metaが「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を適用した結果、Facebookに引き続き掲載されました。この例外により、2022年4月27日から11月10日までにスリランカで医薬品を寄付、贈呈または要求しようとするコンテンツが許可されました。スリランカの深刻かつ複雑な政治・経済・医療危機に照らし、この例外が適切だったと委員会は判断します。ただし、特に危機の際に「ポリシーの趣旨」に則った例外をどのように適用するか、利用者に詳しい情報を提供するようMetaに要請します。
2. 事例の説明と背景
2022年4月、あるFacebookユーザーがスリランカの医療系労働組合のFacebookページに1枚の画像を投稿しました。この画像には、“donate”(寄付する)と読めるボタンと、記載されたリンクをクリックするとスリランカに薬物と医療物資を寄付することができると述べた英語のキャプションが含まれています。キャプション中のリンクは当該組合の外部ウェブサイトにつながっています。そのウェブサイトは、スリランカの医療分野の危機について記述すると同時に、医薬品を寄付して医療制度を支援してもらう必要があると述べています。このウェブページには寄付者に対する説明も記載されています。具体的には、1) 寄付する薬物の受取人によるレター、2) 薬物の種類、数量および価額を明記したコマーシャル・インボイス、ならびに3) 薬物のラベルのスキャン画像の入手などについての記載があります。この投稿はビュー数8万超、シェア数1,000未満で、誰からも報告はありませんでした。
コンテンツが投稿された当時、スリランカは深刻な経済危機の最中にあり、外貨準備高が不足していました。政府のメンバーがスリランカの経済危機の一因となったとして、多くのスリランカ人が政府メンバーに対する抗議活動に参加しました。2022年6月、国連は、同国の深刻な食糧不足を理由に、人口の4分の3の食糧摂取量が減少したと報告しました。スリランカの医療用品の85%は海外、特にインドからの輸入品です。通貨危機は、こうした薬物の輸入資金がスリランカになくなることを意味しました。2022年4月、スリランカ各地の医師らが病院に薬品や必需品が不足していると訴え、医療崩壊が差し迫っていることを恐れていると述べました。日常的な医療処置はキャンセルされ、医師らは死亡率が急増することを懸念しました。2022年9月、スリランカの国連開発計画(UNDP)は、国連中央緊急対応基金(CERF)の経済的支援を受けつつ、スリランカの世界保健機関(WHO)と共に、スリランカに対する必須の基本的薬品や医療用品の手配と供給に名乗りを上げました。
Metaのグローバルオペレーションチームは、スリランカで継続する危機に関連したリスクモニタリングに取り組んでいる際に、本事例で問題となっているコンテンツを見つけました。Metaによれば、こうしたモニタリングの取り組みは通常、リスクの高い事象が生じている際に、チームの専門的な知見とプラットフォーム外の状況の評価により実施されます。本事例のコンテンツは2回追加審査にエスカレーションされた後、Metaのコンテンツポリシーチームに回されました。
Metaは期限付きで「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を適用し、当該投稿、およびスリランカでの医薬品の寄付、贈呈または要求を試みる他のコンテンツを許可しました。Metaは、関連するコミュニティ規定を厳密に適用すると規定の基本理念や本来の目的に反する結果を生むことになる場合に「ポリシーの趣旨」に則った例外を認めています。ポリシーの大規模な例外は、一定の条件を満たしたすべてのコンテンツに適用される一般的例外です。この例外は、エスカレーションを受けたMetaの社内チームのみが認めることができます。ポリシーの大規模な例外が一旦認められると、大規模審査の担当者による施行が可能になります。「ポリシーの趣旨」に則った例外は2022年4月27日から2週間にわたり認められました(2022年4月27日から2022年5月10日まで有効)。この例外は、一定期間ごとに審査、更新され、複数回にわたって延長されました。
Metaは、例外の適用が終了した2022年11月10日からは、スリランカでの医薬品の寄付、贈呈または要求を試みるコンテンツを、制限されている商品およびサービスに関するポリシーに照らして審査し、例外を適用することなくポリシーを施行しています。
Metaはこの事例が、「安全性」と「意見」という相反する価値観を秤に掛ける点で判断が難しく、またスリランカの経済危機による医薬品不足は防ぎえた死を引き起こすことになりかねない点で重大だとして、委員会に審査を要請しました。同社は、制限されている商品およびサービスに関するポリシーについて、特に危機的状況や紛争下にある地域に対し、「ポリシーの趣旨」に基づく局地的・臨時的例外をどのように設けるべきか、委員会の意見を求めています。
3. 監督委員会の権限と範囲
委員会には、Metaが審査に付した決定を審査する権限があります(憲章第2条第1項、定款第2条第2.1.1項)。委員会は、決定の審査を要請するようMetaに要求することができます。
委員会は、Metaの決定を維持するか、または無効とすることができ(憲章第3条第5項)、この決定は同社に対して拘束力があります(憲章第4条)。Metaは、類似した文脈にある同一のコンテンツについて、委員会の決定の適用が実現可能かどうかについても評価しなければなりません(憲章第4条)。委員会の決定には、拘束力のない勧告を伴ったポリシーに関する助言を盛り込むことができ、Metaはこれに回答しなければなりません(憲章第3条第4項、第4条)。Metaが勧告に基づき行動することを約束する場合、委員会はその実施をモニタリングします。
4. 先例および指針の資料
本事例における委員会の分析は、次に掲げる基準および先例に基づいて行われました。
I.監督委員会の決定:
監督委員会による過去の決定のうち、最も関連度の高いものには以下の決定などがあります。
- 「イランにおける抗議デモのスローガン」(2022-013-FB-UA): この事例は、Metaの別の重要なポリシーの例外である、他の人に知らせる価値への配慮を危機の際に適用する方法に関連した事例でした。委員会はMetaに対し、適用した他の人に知らせる価値への配慮についてより詳しいデータを公表し、配慮を導入した時点で発表するよう勧告しました。
- 「コロンビアでの抗議活動」(2021-010-FB-UA): この事例は、他の人に知らせる価値への配慮に関連した事例でした。委員会はMetaに対し、「違反と評価されたが、社会的関心に係る理由に基づきプラットフォームに残されたコンテンツを報告したすべての利用者に対し、他の人に知らせる価値という許容要件が当該投稿に対して適用されたことを通知すること。この通知では、他の人に知らせる価値という許容要件を説明した透明性センターの該当箇所へのリンクを張る必要がある」と勧告しました。
- 「トランプ前大統領のアカウント停止」(2021-001-FB-FBR): この事例は、Metaが危機に対処し、ポリシーの例外を認める方法に関連した事例でした。委員会は、「通常のプロセスでは差し迫った危害の防止や回避が不可能であるような危機的状況や過去に例のない状況への対応に適用されるポリシーを策定し、公開する」ようMetaに勧告しました。
II.Metaのコンテンツポリシー:
制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定
Metaは制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定で、「個人、製造業者、小売業者が一定の商品およびサービスを購入、販売、抽選、贈呈、譲渡または取引する試みを禁止」しています。禁止の対象には「医薬品の寄付または贈答を試みるもの」のほか、「医薬品を要求するもの(ただし、医学的な文脈の中で、医薬品の手頃な価格、入手のしやすさ、効能について議論するコンテンツを除く)」が含まれます。当該コミュニティ規定のポリシーの基本理念では、安全を促すと同時に、有害な可能性のある活動を抑止するとしています。このコミュニティ規定では、「医薬品」とは「処方箋を必要とする薬物、または医療従事者による投与が必要な薬物」と記載されています。
ポリシーの趣旨に則った例外
ポリシーの基本理念(各コミュニティ規定の導入部分のテキスト)やMetaが重んじる価値観により、ルール(「以下のコンテンツの投稿は禁止されています」のセクションや禁止されるコンテンツのリストに規定されたルール)の厳密な適用とは異なる結果が求められる場合、Metaはコンテンツに対して「ポリシーの趣旨」に則った例外を適用することがあります。
本事例において、Metaは「ポリシーの趣旨」に則った例外を適用し、スリランカで医薬品の寄付、贈答または要求を試みるコンテンツを許可しました。この許可は、経済危機および薬品に対する緊急のニーズを理由として行われました。Metaは委員会に対する回答の中で、この例外がスリランカで投稿されたコンテンツに適用されるとし、「市場ルーティング」を理由に、「スリランカ国外においてシンハラ語で投稿されたコンテンツにも適用される可能性」があると述べました。Metaは、同国のもう1つの公用語であるタミル語で投稿されるコンテンツに対するスリランカ国外での例外適用には言及しませんでした。
また、委員会の分析は、Metaが「何よりも大切にしている」とする「意見」の価値観、および同社が重んじる「安全性」の価値観も基にして行われました。
III. Metaの人権保障責任
国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)は、国連人権理事会により2011年に採択された、人権に関して民間企業が負う責任について自主的な枠組を定めた基準です。Metaは2021年、企業人権ポリシーを発表しました。同ポリシーで、MetaはUNGPsに従って人権を尊重することへの約束を再確認しました。
委員会は、本事例での人権に対するMetaの責任について、次に掲げる国際基準に基づき分析しました。
- 意見と表現の自由の権利: 市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第19条、規約人権委員会の一般的意見34 (2011年)、意見及び表現の自由に関する国連特別報告者(UN Special Rapporteur on freedom of opinion and expression)、報告書:A/HRC/38/35 (2018年)、A/74/486 (2019年)
- 生命に対する権利: ICCPR第6条
- 健康に対する権利: 経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約(ICESCR)第12条、経済的、社会的、文化的権利委員会の一般的意見14 (2000年)
5. 利用者からの陳述書の提出
この投稿の投稿者には委員会による審査について通知が行われ、委員会に陳述書を提出する機会が与えられましたが、この利用者は陳述書を提出しませんでした。
6. Metaからの情報提供
Metaは委員会に対し、コミュニティ規定では医薬品を要求するコンテンツが禁止されるものの、「スリランカの経済危機によって急に引き起こされた医薬品」のニーズは、「制限されている商品およびサービスに関するポリシーの基本理念に基づいて例外を認める正当な理由となる」と判断したと説明しました。当該ポリシーの基本理念では、同ポリシーの目標は「安全を促し、有害な可能性のある活動を抑止する」ことだと規定しています。また、Metaは大規模な例外を認める決定が「特に困難」だと述べました。こうした決定では、「危機にあるスリランカ人のニーズ」と、同社のプラットフォームで「有害な可能性のある薬物を分配、交換することを認める危険とを秤にかける」ことが求められるためです。Metaは、スリランカを含むほとんどの国には「規制薬物の販売、輸送または譲渡を広く禁止する、薬物流通関連の厳しい法律」があるとも述べました。しかし、スリランカでは医薬品の不足に伴った安全上のリスクがあることから、本事例で「ポリシーの趣旨」に則った例外を認める決定は、利用者の安全性と公衆衛生の保護という正当な目的も促進するものだと主張しました。
Metaは、自身が下した決定が、同社が重んじる価値観、および公衆衛生の保護に関する国際的な人権原則に沿ったものだと考えています。Metaは、医薬品の寄付に関して認めた他の例外の例を提示しました。具体的には、(a) 経済危機に関連した深刻な薬剤不足に基づき、2022年にキューバで認めた3か月の例外、(b) 経済危機の際の深刻な薬剤不足と手が届かないほどの高価格化に基づき、2021年にレバノンで認めた9か月の例外、および(c) ロシアによる侵攻で生じた供給途絶に基づき、2022年2月27日より認めているウクライナで継続中の例外が含まれます。
Metaは、新型コロナウイルス感染症関連の薬品や医薬品に限定した形で「ポリシーの趣旨」に則った例外を認めたこともあるとし、「医療用酸素を寄付するコンテンツ、およびその寄付を募るコンテンツをアフガニスタン(1か月)、インドネシア(1か月)およびミャンマー(5か月)で許可したほか、レムデシビル、ファビピラビルおよびトシリズマブの寄付を申し出るコンテンツ、およびその寄付を募るコンテンツをインド(1か月)およびネパール(2週間)で許可した」と述べました。また、各状況において、「危機について検証するために独立した報告」に依拠したとしました。
委員会による質問への回答の中で、Metaは、危機的状況において「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を開始、終了する際に用いる基準はポリシーの性質や危機の状況に応じて異なると説明しました。その上で、通常は社内チームの意見に基づいて決定が下され、場合によっては社外ステークホルダーの意見に基づいて決定が下されると付け加えました。本事例では、医薬品不足に関する「ニュース報道や経済分析」など、「危機が十分に実証されている」ことが決定に影響しているとMetaは述べました。Metaは、「信頼できる医療当局が医薬品の必要性について言及している」ことを考慮しました。
また、Metaは委員会による質問への回答の中で、ここ3年間、同社が認めた大規模な例外がほんの少数であり、そのうち、制限されている商品およびサービスに関するポリシーに関連する割合は低かったと述べました。ポリシーの例外は、「エスカレーション」を受けたMetaの社内チームのみが認めることができます。ポリシーの大規模な例外は一般的例外であり、大規模審査の担当者が最初に審査する際に、一定の基準を満たしたコンテンツすべてに対して適用できます。大規模ではない例外は、個別の投稿に固有のものです。
委員会はMetaに書面で9件の質問をしました。質問は、スリランカでの「ポリシーの趣旨」に則った例外、Metaの危機管理プロトコル、Metaがポリシーの趣旨に則った例外を開始・終了する一般的手法に関するものでした。Metaはすべての質問に全面的に回答しました。
7. パブリックコメント
本事例に関して、監督委員会には3件のパブリックコメントが寄せられました。2件は米国およびカナダから、1件はラテンアメリカおよびカリブ海からのものでした。
提出内容には、薬物の寄付を承認するリスク、Metaがプラットフォーム上で医薬品の寄付活動の調整を認めないことにより生じる害、およびMetaがポリシーの例外を設ける際の人権を尊重した明確な基準の必要性などに関するものがありました。
本事例に関して提出されたパブリックコメントを読むにはこちらをクリックしてください。
8. 監督委員会による分析
委員会が本事例を選定したのは、危機的状況において医薬品の寄付に関する例外をMetaが認めるかどうかの決定は、健康へのアクセス、および影響を受ける国の医療危機に関する情報へのアクセスに重大な影響を及ぼすためです。本事例を選定することで、委員会は、「ポリシーの趣旨」に則った例外に対するMetaのアプローチを評価し、この点、および各国ごとにルールを適用するアプローチに関して勧告を行うこともできました。委員会は、このコンテンツが削除されるべきか否かという点について、Metaのコンテンツポリシー、人権保障責任および同社が重んじる価値観を分析することにより検討を加えました。また、コンテンツガバナンスに対してMetaが取るより広いアプローチに関して、本事例が意味するところについても評価しました。
8.1 Metaのコンテンツポリシーへの準拠
委員会は、本事例のコンテンツが、制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定の「医薬品を要求する」コンテンツを禁止する規定に違反すると判断します。しかし、「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を認め、スリランカで差し迫ったニーズがある期間、当該投稿、およびこれに類するコンテンツを許可したのは適切だったと委員会は考えます。
I. コンテンツルール
Metaの制限されている商品およびサービスに関するポリシーでは「医薬品の寄付または贈答を試みるもの」に該当するコンテンツを禁止するほか、「医学的な文脈の中で、医薬品の手頃な価格、入手のしやすさ、効能について議論するコンテンツを除いて」、医薬品を要求する投稿を禁止しています。
委員会は、本事例のコンテンツが寄付を調整する取り組みに該当したと把握しています。ただ、このコンテンツ自体は「医薬品の寄付または贈答を試みるもの」ではなく、医療用品の寄付を呼びかける内容でした。このため、委員会は、このコンテンツが「医薬品を要求するもの」だと理解しています。
コンテンツモデレーター向けのMetaの社内ガイドラインでは、「手頃な価格」について議論するコンテンツとは、ジェネリック医薬品とブランド名のついた医薬品の価額を比較して、またはワクチンの価格を記載して、割引やオファー(「$5引きの処方薬」など)に言及することを意味すると明確にされています。また、医学的な文脈の中で入手のしやすさについて議論するコンテンツでは、病状への対処方法の提案が示されることがあります(例えば、「アレルギーに苦しんでいるなら、ABC薬局でメチルプレドニゾロンを購入しましょう」など)。本事例のコンテンツは、スリランカでは医薬品の手頃な価格と入手しやすさが危機にさらされているという文脈で投稿されました。しかし、委員会は、このコンテンツがMetaの社内ガイドラインに定められた手頃な価格と入手のしやすさに関する例に沿ったものではないと判断します。このため、同コンテンツはコミュニティ規定に違反します。委員会は、こうした例が、Metaの制限されている商品およびサービスに関するポリシーの公開文書に記載されていないことに留意しています。
Metaによれば、関連するコミュニティ規定のポリシーの基本理念、およびMetaが重んじる価値観により、ルールの文字どおりの適用とは異なる結果が求められる場合には、「ポリシーの趣旨」に則った例外を認めることができます。制限されている商品およびサービスに関するポリシーは、「安全を促し、有害な可能性のある活動を抑止する」ことを目的としています。同様に、「安全性」の価値観に基づき、Metaは「身体の安全に危害を及ぼすリスクにつながり得るコンテンツを削除」しています。
安全性の評価にあたっては、状況に応じて異なる検討を加える必要があります。スリランカではこの時期、薬品不足に起因して深刻な危機が生じており、これによって重大な安全上のリスクがありました。しかし、危機の時期には特に、医薬品の寄付を認めるにあたっても重大な安全上の懸念が生じます。WHOは、寄付された医薬品は使用期限が切れていたり、保管が不適切であったり、あるいは既に危機に瀕した国に費用のかかる審査や保管の負担を生じさせたりする可能性があると警告しています(世界保健機関、薬品の寄付に関するガイドライン6ページ)。Metaは、制限されている商品およびサービスに関するポリシーの例外を認める際には、この点にも注意する必要があります。また、有害な可能性のある薬物をMetaのプラットフォームで分配、交換すること利用者に認めると、違法目的や危険な目的の不正使用につながるおそれがあります。
こうした懸念は妥当ではあるものの、委員会は、スリランカの経済危機、および医療用品不足を考慮すれば、「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を認め、スリランカでの医薬品の寄付、贈呈または要求を試みるコンテンツを許可するというMetaの決定には正当な理由があると判断します。医療へのアクセスが最低限確保されるよう、深刻な経済危機の時期におけるより緊急のニーズを優先すべきです。薬物の保管や不正使用に関する懸念については、Metaがポリシーの例外について適切な形で通知すれば、現地当局や薬品の流通に従事する団体など、責任のある他の者によって軽減できます。
II. 施行措置
Metaは委員会による質問への回答の中で、「ポリシーの趣旨」に則った例外を認める決定と、その例外を終了する決定には、さまざまな社内チームが関与する場合があると説明しました。関与するチームには、安全性や人権、各地域について専門知識のある諸々のチームなどがあります。例外が期限付きの場合、Metaは、一定期間ごとに例外を評価し、更新するか、それとも終了するかを決定します。本事例の例外については、社内チームが「医薬品の寄付を求めるFacebook上の自由な呼びかけにより生じる不正利用のリスクが、残る利益を上回る程度にまで、スリランカの医療危機は収まった」と伝達した後、2022年11月10日に終了したとMetaは説明しました。委員会からのフォローアップ質問を受け、Metaは以下のように説明しました。
(i) 多国間の寄付機関、NGO、政府による薬品の新たな寄付により、不足が緩和された、また、(ii) 新たな暫定政府が基本的な薬品の入手に対する支出の優先順位を見直したという2点により、危機が緩和されたように思われました。他にも、医療用品を調整するための集中型システムを現地の病院が構築したり、国際機関やインドにより新たな融資限度額が設定され、そのうちの一部が薬品の購入に特定されたりするなど、明るい進展が見られました。
委員会からの別の質問への回答で、Metaは以下のように説明しました。
ポリシーの例外は、スリランカ市場でのみ適用されました。当該市場以外の投稿に例外を拡大することはしませんでした。スリランカ市場には、スリランカで投稿されるコンテンツが含まれますが、弊社の市場ルーティングにより、スリランカ国外においてシンハラ語で投稿されたコンテンツにも適用される可能性があります。
委員会は、スリランカ国外で実際に例外が適用されるかどうかに関してMetaに不透明な点があることに着目しており、Metaに対し、施行システムと施行手法を見直して、例外による影響を予測しやすくなるよう要請します。また、委員会は、Metaが一見、この例外の適用をスリランカ市場とシンハラ語に制限しているように思われることにも留意しています。スリランカにはシンハラ語およびタミル語という2つの公用語があり、タミル語は主にタミル人とイスラム系少数民族によって、スリランカおよび離散先で主として使用されています。大規模な例外は、不用意に差別が生じることがないよう、影響を受ける人の民族・言語の多様性に対して敏感に適用する必要があります。
III. 透明性
委員会は、Metaが透明性センター、またはコミュニティ規定で「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報を公開していない点に留意しています。「ポリシーの趣旨」に則った例外を認めるか否か、また例外を大規模適用するかどうかを判断する際にMetaが用いる基準を提示すれば、そのページは利用者にとって有益なものになるでしょう。また、Metaは、こうした例外の対象となるコンテンツの例を公表すべきです。そして、透明性センターには、Metaが大規模に認めた「ポリシーの趣旨」に則った例外すべてのリストを、例外を認めた理由および終了した理由の説明と併せて掲載すべきです。透明性センターの当該ページには、認められた「ポリシーの趣旨」に則った例外に関して、例外が認められた事例数や影響のあった地域・言語などの集計データも盛り込む必要があります。このやり方は、他の人に知らせる価値への配慮に対してMetaが現在取っているアプローチに似ています。他の人に知らせる価値への配慮に対するアプローチは、委員会による勧告への対応としてMetaが講じた措置によって発展し、大幅に改善されました。「ポリシーの趣旨」に則った例外は他の人に知らせる価値への配慮と同様、FacebookおよびInstagram全体ですべてのコンテンツポリシーに適用される一般的例外であることから、この点は特に重要です。
8.2 Metaの人権保障責任の遵守
委員会は、このコンテンツをプラットフォームに残すことがMetaの人権保障責任に沿うものであると判断しています。Metaは、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)に基づいて人権を尊重することを約束しています。同社の企業人権ポリシーでは、この約束には市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)の尊重が範囲として含まれると規定されています。
例外を認めるMetaの決定は、健康や生命に対する権利への懸念からも導かれるものです。また、委員会は、表現の自由の観点から、健康関連の情報へのアクセスが特に重要であることに留意しています(A/HRC/44/49第6項)。深刻な政治・経済危機により、医療用品の利用が著しく妨げられていたとすると、こうした権利はスリランカで危険な状態にありました。
表現の自由(ICCPR第19条)
表現の自由に対する権利の範囲は幅広いものです。ICCPR第19条第2項は、表現(公共の問題に関する表現を含む)に対してより高度な保護を与えています(一般的意見34第11項)。表現は、健康危機の際には特に重要なものとなり得ます。表現は非常に重要な公共の問題に関係するためです。表現の自由に関する国連特別報告者は、「脅迫、脅し、罰によって妨げられない自由な情報の流れは、生命と健康を守り、社会、経済、政治などに関する重要な政策関連の議論や意思決定を実現、促進する」強調しています(A/HRC/44/49)。本事例のコンテンツは、深刻な経済危機から生じた、スリランカでの健康と生命に対する権利へのリスクを軽減することを目的とした対応を調整するものです。
国が表現を制限する場合、その制限は合法性、正当な目的、および必要性と相応性の各要件を満たさなければなりません(ICCPR第19条第3項)。これらの要件はよく「3要素のテスト」と呼ばれます。委員会は、審査対象であるコンテンツに関する個別の決定、およびこれがコンテンツガバナンスに対するMetaの幅広いアプローチについて示す内容の両方に関して、この枠組みを用い、人権に対するMetaの自主的な取り組みを解釈します。表現の自由に関する国連特別報告者が述べているとおり、「企業には政府と同じ義務はないが、影響力が高いため、ユーザーの表現の自由に対する権利の保護に関して、企業も政府と同様の問題を評価する必要があります」(A/74/486第41項)。本事例で委員会は、制限されている商品およびサービスに関するコミュニティ規定におけるMetaの関連するルール、および「ポリシーの趣旨」に則った例外全体に対して「3要素のテスト」を適用しました。
I. 合法性(規則の明確性とわかりやすさ・閲覧可能性)
合法性の原則により、表現を制限するために国により用いられる規則は、明確でわかりやすく容易に閲覧可能であることが求められます(一般的意見34、第25項)。具体性に欠けると、規則の主観的な解釈や恣意的な運用につながることがあります。個人は、自分の表現が制限される可能性があるかどうか、またどのように制限される可能性があるかを判断し、その判断結果に応じて自分の言動を調整できるようにするために、十分な情報を利用できなければなりません。表現の自由に関する国連特別報告者は、コンテンツモデレーションおよびICCPR第19条の合法性の基準を扱った2018年の報告書で、オンラインでの発言に適用される規則は「明確で具体的」である必要があると強調しました(A/HRC/38/35第46項)。Facebookに関するMetaのコンテンツルールに当てはめて言えば、利用者は、認められるコンテンツと禁止されるコンテンツについて知ることができなければなりません。委員会は、Metaが「医薬品を要求する」コンテンツを禁止することは利用者にとってわかりやすいものの、「ポリシーの趣旨」に則った例外に適用されるルールを含め、その禁止の例外は利用者にとって十分に明確でわかりやすいものではないと結論づけます。権利に対する制限は明確でなければならないことから、その制限に例外を設ける場合には、利用者が投稿できる内容とそうでない内容を理解できるよう、例外についても十分に明確にする必要があります。ただし、認められる発言の範囲を広げる例外を適切な形で明確に示さないことは合法性の基準を満たさないものの、例外の適用時におけるスリランカの状況を考慮すると、本事例でこの例外を適用する根底を揺るがすものではありません。
委員会は、制限されている商品およびサービスに関するポリシーの公開されている文言で、「医学的な文脈の中で、医薬品の手頃な価格、入手のしやすさ、効能について」議論するコンテンツを許可する例外の解釈について、十分な情報をMetaが提供していないことに留意しています。この点に関して、コンテンツモデレーター向けのMetaの社内ガイドラインには例が記載されています。利用者はルールに違反することなく投稿可能な内容を理解できる必要があるため、委員会は、この例外が明確でないことを懸念しています。Metaは、社内ガイドラインに沿った例を提示することで、コンテンツポリシーの解釈の仕方についてより明確な指針を利用者に示す必要があります。
また、委員会は、コミュニティ規定のいずれの箇所にも、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する言及がないことに留意しています。Facebookコミュニティ規定は、Metaが特定の地域・国で、ルールに対して短期的に「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外を導入することがある旨を規定していません。説明が公開されていないため、利用者は現在、「ポリシーの趣旨」に則った例外、またはコミュニティ規定全体における当該例外の適用について知る由もありません。非公表の裁量によるMetaポリシーの適用除外は、合法性の基準に相容れません。Metaは委員会による質問への回答の中で、スリランカで危機が始まった当時、同社はまだ危機管理ポリシープロトコルを導入していなかったものの、今後生じる危機に関しては「紛争が続く時期に医薬品を募る、寄付する、または贈呈するコンテンツに関する例外は、[…]プロトコルの一部として文書化されているポリシーレバーに含まれる」と説明しました。しかし、委員会はMetaとやり取りする中で、この例外の適用には明確な基準と手続き(現地当局や外部ステークホルダーとの協議など)が欠如することに留意しています。委員会は、例外の適用を客観的な基準によって導くようにすることが重要だと強調します。それにより、例外の開始と終了について一貫した意思決定を下すことができます。このため、委員会はMetaに対し、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報、およびコミュニティ規定全体でその例外を適用するにあたり同社が用いる基準を公表するよう要請します。
グローバル規模で大量のコンテンツをモデレーションする際には、明らかな不正行為を防ぐために、適用できる「包括的な」例外を設ける必要があることを委員会は認めます。ただし、こうした例外が認められるケースを判断するのに用いられる基準は公開する必要があります。さらに、Metaが危機の時期に医薬品の寄付に関して時折例外を適用するように、こうした例外を同一の方法で繰り返し用いる場合、Metaは、その例外を関連するポリシーの例外として具体的に規定する必要があるかどうかについて慎重に評価する必要があります。
また、コンテンツを報告する利用者には、どのような場合に報告対象のコンテンツが「ポリシーの趣旨」に則った例外の適用を受けるのかが知らされていません。Metaは委員会への回答の中で、「ポリシーの大規模な例外について利用者に直接通知することはしていない」と認めました。委員会は「コロンビアでの抗議活動」に関する決定(2021-010-UA)で、コンテンツに違反があるとして報告した利用者に対し、そのコンテンツが他の人に知らせる価値への配慮によりプラットフォームに残された場合にはその旨を通知するようMetaに勧告しました。Metaは依然として、当該勧告を実施するか否かを評価中です。これと同様に、「ポリシーの趣旨」に則った例外の対象となるコンテンツを報告した利用者に通知を行えば、その例外による帰結、およびポリシーに矛盾すると思われるコンテンツがプラットフォームで閲覧可能な理由を利用者が理解する助けとなるでしょう。
II. 正当な目的
ICCPR第19条は、国家が表現を制限するに際しては正当な目的を推進するために必要な場合に限って制限が可能であると定めており、その目的とは具体的に「他の者の権利または信用の尊重…(および)国の安全、公の秩序または公衆の健康もしくは道徳の保護」と定められています。
医薬品の「寄付または贈答を試みる」行為および医薬品を「要求する」行為をMetaが一般に禁止することは、公共の安全および公衆の健康(ICCPR第19条第3項)、健康に対する他の者の権利(ICESCR第12条)ならびに生命に対する権利(ICCPR第6条)を保護しようとするものであり、これらはすべて正当な目的に当たります。Metaは決定の理由説明の中で、「このコンテンツは、規制物質の違法な譲渡や、処方箋や医療従事者による指示を受けていない利用者に対する医薬品の取引を促進するおそれがある」としました。制限されている商品およびサービスに関するポリシーの序文では、「安全を促し、有害な可能性のある活動を抑止する」ことを目的とすると示されていますが、これはそのMetaの基本理念に合致しています。
III. 必要性と相応性
必要性と相応性の原則は、表現の自由に対するいかなる制限も「その保護機能の達成に適したものでなければならず、その保護機能を達成する可能性がある手段の中で最も干渉性の低いものでなければならず、保護すべき利益に相応でなければならない」(一般的意見34、第34項)と規定しています。
スリランカで深刻な政治・経済危機が生じており、これによってスリランカ人が薬品を入手できなくなり、健康および生命に対する権利が危機にさらされていたことを考慮しても、制限されている商品およびサービスに関するポリシーを本事例で適用することは、発言に対する相応な制限とはならなかったでしょう。しかし、「ポリシーの趣旨」に則った例外を認めるというMetaの決定により、危機の時期における生命および健康に対するスリランカの人の権利は守られました。
9.監督委員会の決定
監督委員会は、コンテンツを引き続き掲載するというMetaの決定を維持します。
10. ポリシーに関する助言
A.コンテンツポリシー
1.利用者に対する明確性を向上させるため、Metaは他の人に知らせる価値への配慮の場合と同様、コミュニティ規定のランディングページで、同社の基本理念、および同社が重んじる価値観により、ルールの厳密な適用とは異なる結果が求められる場合には例外が適用され得る旨を説明すべきです。また、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報を提供する透明性センターのページへのリンクを張る必要があります。委員会は、コミュニティ規定に説明が追記された時点で、Metaが勧告に従ったとみなします。
B.施行
2.利用者にさらなる確実性を提供するため、Metaは、報告されたコンテンツに「ポリシーの趣旨」に則った例外が適用される場合にはその旨を伝えるべきです。Metaは、「コロンビアでの抗議活動」に関する事例(2021-010-FB-UA)で委員会から受けた勧告への回答で述べられているとおり、ユーザー通知システムを監査するための最近の取り組みに沿って、違反には当たるものの、「ポリシーの趣旨」に則った例外が投稿に適用されたためにプラットフォームに引き続き掲載すると評価されたコンテンツの報告者全員に通知を行う必要があります。この通知では、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報を提供する透明性センターのページへのリンクも張る必要があります。委員会は本勧告に記載する通知手続きをMetaが導入した時点で、Metaが勧告に従ったとみなします。
C.透明性
3.「イランにおける抗議デモのスローガン」に関する事例(2022-013-FB-UA)における委員会の勧告5および6に沿って、Metaは他の人に知らせる価値への配慮について公開した情報と同様に、「ポリシーの趣旨」に則った例外に関する情報を透明性センターで公開すべきです。Metaは透明性センターで、(i) 「ポリシーの趣旨」に則った例外は大規模に認めることも、範囲を限定して認めることもできる旨を説明し、(ii) 例外が適用されるコンテンツの例を公開し、(iii) 「ポリシーの趣旨」に則った例外を大規模に適用するケースを判断する際にMetaが用いる基準を提示するとともに、(iv) ここ3年でMetaが認めた「ポリシーの趣旨」に則った大規模な例外すべてのリスト、および各例外の開始と終了に関する決定理由の説明を盛り込む必要があります。例外が新たに認められるにつれて、Metaはこのリストを更新し続ける必要があります。委員会は、Metaがこれらの情報を透明性センターに公開した時点で、Metaが勧告に従ったとみなします。
4.「イランにおける抗議デモのスローガン」に関する事例(2022-013-FB-UA)における委員会の勧告5および6に沿って、Metaは、認めた「ポリシーの趣旨」に則った例外に関して、例外を認めた事例数や影響のあった地域・言語などの集計データを透明性センターで公開すべきです。「ポリシーの趣旨」に則った例外が新たに認められるにつれて、Metaはこのリストを更新し続ける必要があります。委員会は、Metaがこれらの情報を透明性センターに公開した時点で、Metaが勧告に従ったとみなします。
*手続きに関する注記:
監督委員会の決定は、5名のメンバーからなるパネルにより準備され、委員会の過半数の承認を得ています。委員会の決定は、必ずしもメンバー全員の個人的見解を反映したものではありません。
この事例決定のために、独立した調査が委員会に代わって委託されました。委員会は、ヨーテボリ大学に本部を置く、6つの大陸の50名を超える社会科学者からなり、世界各地の3,200名を超える専門家と連携する独立調査機関による支援を受けました。また、委員会は、地政学、信用と安全、テクノロジーを横断的に扱うアドバイザリー会社であるDuco Advisorsによる支援も受けています。このほか、ソーシャルメディアのトレンドに関するオープンソース調査に従事する組織、Memeticaによる分析の提供も受けました。
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