Overturned
中国共産党についての発言
August 1, 2024
ある利用者が、中国共産党の「death」(死)を求めるInstagramのコメントを削除するMetaの決定に異議を申し立てました。
要約決定では、委員会がMetaに対して注意喚起を行った後に同社がコンテンツに関する当初の決定を撤回した事例を審査します。これらの決定には、Metaが認めた誤りに関する情報が含まれます。これらは、委員会全員ではなく、一部メンバーで構成されるパネルが承認したものであり、パブリックコメントのプロセスを伴わず、委員会にとって先例としての価値はありません。要約決定は、Metaの決定への変更を直接求めるものであり、Metaの訂正について透明性を提供し、Metaの施行において改善の余地がある箇所を指摘します。
概要
ある利用者が、中国共産党の「death」(死)を求めるInstagramのコメントを削除するMetaの決定に異議を申し立てました。委員会がMetaにこの異議申し立てを指摘した後、同社は、当初の決定を撤回して当該投稿を復元しました。
事例の内容
2024年3月、あるInstagram利用者が「Death to the Chinese Communist Party!」(中国共産党に死を!)というコメントに骸骨の絵文字を付けて投稿しました。これは、米国でのTikTokの存在に影響する同国下院での法案の可決を非難する、元中国外務省報道官汪文斌氏の動画を掲載した、報道機関のアカウントによる投稿に返答するものでした。
Metaは当初、「暴力の脅迫」を禁じる暴力と扇動に関するコミュニティ規定に基づきFacebookから利用者の投稿を削除しました。同社は、この禁止事項には「死を求める特定の呼びかけ(暴力の標的と方法を含むもの)」が含まれると説明しました。
委員会がMetaに本事例を指摘した際、同社は、当該コメントの削除は誤りだったと判断し、当該コンテンツをInstagramに復元しました。Metaは、コンテンツの審査担当者に対する社内ガイドラインに記載されているとおり、中国共産党のような機関の死を求めることは違反に当たらないとされていると説明しました。
委員会の権限と範囲
委員会には、コンテンツを削除された利用者からの異議申し立てを受けて、Metaの決定を審査する権限があります(憲章第2条第1項、定款第3条第1項)。
委員会の審査について検討中である事例で誤りがあったことをMetaが認めてその決定を撤回する場合、委員会は、本事例を要約決定の対象として選定する場合があります(定款第2条第2.1.3項)。委員会が当初の決定を審査してコンテンツモデレーションプロセスに関する理解を深めることで、誤りが減少し、Facebook、InstagramおよびThreadsの利用者の公平性が高まります。
事例の重要性
本事例は、政治的文脈での隠喩的または比喩的な発言に対し、Metaが暴力と扇動に関するポリシーを施行する方法の一貫性のなさを浮き彫りにしており、これは国家や政府機関を批判する政治的発言に不当な影響を与える可能性があります。本事例は、Metaがモデレーションシステムを設計する際に、発言の対象(本事例では政党)や、利用者が機関を非難するために誇張的、修辞的、皮肉的および風刺的発言を使用することを考慮することの重要性を明確にしています。
修辞的議論について、ロシア語の詩の事例で委員会は、「Kill him!」(彼を殺せ!)という詩の暴力的な文言を含む抜粋が、「一定の心的状態を奨励するものではなく、ある心的状態を描写している」と読めると判断しました。委員会は、この表現が利用者のメッセージを伝えるための修辞的手段として使用され、結果として、そのコンテンツの該当部分がMetaの暴力と扇動に関するポリシーの社内ガイドラインにより許可されたと判断しました。
本事例で問題となっているもの(暴力と扇動)とは異なるコミュニティ規定(ヘイトスピーチ)を取り上げることになるものの、これは国家や政府機関に向けられた発言であるため、ミャンマーのボットでの決定が関連しています。その中で委員会は、投稿での不適切な言葉が人種、民族、国籍を理由に人々を標的としたものではなく、国家を標的としたものであるため、投稿がヘイトスピーチに関するコミュニティ規定に違反しないと結論づけました。委員会は、「保護特性を理由に人々を標的とすることの禁止規定が、政府や制度を批判から守るような方法で解釈されないようにすることは重要である」と強調しました。
委員会は以前に、関連する文脈の中でコンテンツを評価するための十分な手順を整備することをMetaに勧告しています(「2つのボタン」のミーム、勧告3)。また、「禁止されている発言の種類を利用者によりよい形で知らせるため、Metaは暴力と扇動に関するコミュニティ規定を改定し、(i)脅迫の標的がリスクの大きな人物である場合(イランにおける抗議デモのスローガン、勧告1)を除き、「Xに死を」という発言のような修辞上の脅迫が一般に認められることを説明すべき」であり、「Metaは、(i)暴力につながるおそれが低く、(ii)違反している可能性のあるコンテンツが抗議を文脈として用いられ、かつ(iii)公益性が高い場合には、誤りを犯すとしても拡大配慮を適用する立場を取るべきである」(イランにおける抗議デモのスローガン、勧告2)とも勧告しています。
Metaは、「2つのボタン」のミームについての勧告およびイランにおける抗議デモのスローガンについての決定の勧告2の実施を報告しているものの、それを証明する情報は公開しませんでした。イランにおける抗議デモのスローガンについての決定の勧告1に関しては、2023年第4四半期の委員会に関する四半期別アップデートにおいて、Metaは「何が「脅威」にあたるのかについての詳細を説明し、標的に基づいて施行を区別することで、弊社は暴力と扇動に関するコミュニティ規定を更新しており、この作業の一環として社内ガイドラインも更新済みである」と述べています。
委員会は、これらの勧告を全面実施することで、Metaの暴力と扇動に関するポリシーに基づいた数多くの施行上の誤りを減らせると考えています。
決定
委員会は、当該コンテンツを削除するというMetaの当初の決定を無効と判断しました。委員会は、Metaに本事例を指摘した後、Metaが当初の誤りを訂正したことを認めます。