एकाधिक मामले का निर्णय

オーストラリア選挙委員会の投票規則

監督委員会は、オーストラリアの「国会への先住民の声」国民投票を前に、オーストラリア選挙委員会がXに投稿した情報を映した同じスクリーンショットを含んだ2件の個別のFacebook投稿を削除するMetaの決定を支持しました。

2 इस बंडल में केस शामिल हैं

सही ठहराया

FB-0TGD816L

Facebookでの危害を加えるための計画や犯罪の宣伝に関する事例

प्लैटफ़ॉर्म
Facebook
विषय
選挙,政府,偽情報
मानक
危害を加えるための計画や犯罪の宣伝
जगह
オーストラリア
Date
पर प्रकाशित 9 मई 2024
सही ठहराया

FB-8ZQ78FZG

Facebookでの危害を加えるための計画や犯罪の宣伝に関する事例

प्लैटफ़ॉर्म
Facebook
विषय
選挙,政府,偽情報
मानक
危害を加えるための計画や犯罪の宣伝
जगह
オーストラリア
Date
पर प्रकाशित 9 मई 2024

概要

監督委員会は、オーストラリアの「国会への先住民の声」国民投票を前に、オーストラリア選挙委員会(Australian Electoral Commission: AEC)がXに投稿した情報を映した同じスクリーンショットを含んだ2件の個別のFacebook投稿を削除するMetaの決定を支持しました。両投稿は、投票プロセスに違法な形で参加することを呼びかけるコンテンツを禁止する、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定に違反していました。これらの事例は、文脈を逸脱した情報がいかに人びとの投票権に影響を与えうるかを示しています。委員会は、Metaに対し、「違法投票」の定義を公表することにより、有権者や国勢調査に関する詐欺に関連する規則をより明確に説明するよう勧告します。

事例の内容

2023年10月14日、オーストラリアは、「国会への先住民の声」国民投票を実施しました。その数日前、あるFacebook利用者が、AECの公式アカウントによるX上の投稿のスクリーンショットをあるグループに投稿しました。表示された情報には次の内容が含まれていました。「If someone votes at two different polling places within their electorate, and places their formal vote in the ballot box at each polling place, their vote is counted」(有権者が選挙区内の2か所の異なる投票所で投票し、各投票所で正式な投票用紙を投票箱に入れた場合、両方の票が数えられます)。さらに、当該利用者はX上の同じスレッドの別のコメントも紹介しています。そのコメントでは、投票の秘密厳守のため、AECが「knowing which ballot paper belongs to which person」(どの投票用紙がどの有権者のものかを把握する)ことはできないと説明しつつ、「the number of double votes received is incredibly low」(実際の二重投票の数は極めて少ない)と述べています。しかし、当該スクリーンショットでは、AECによってシェアされた情報のすべてを提示しているわけではなく、複数回の投票が違法行為にあたる点には触れていません。当該投稿のキャプションには「vote early, vote often, and vote NO」(期日前に、何度も、Noに投票しよう)と記載されていました。

別のFacebook利用者がシェアした2つ目の投稿には同じスクリーンショットが含まれており、テキストオーバーレイを使って「so you can vote Multiple times.They are setting us up for a ‘Rigging’ … smash the voting centres … it’s a NO, NO, NO, NO, NO」(そうすると、何度も投票できるわけだ…不正操作のお膳立てをしているも同然…投票所を破壊しよう…NO、NO、NO、NO、NO)と表示されていました。

「先住民の声」国民投票は、アボリジニおよびトレス海峡諸島民の議会での発言権を拡大するため憲法を改正すべきかどうかをオーストラリア国民に問うものでした。

オーストラリアでは投票が義務付けられており、AECによると、1924年以降のすべての選挙および国民投票の投票率は約90%となっています。多重投票は違法であり、選挙詐欺の一種です。

これらの投稿はどちらもMetaの自動システムによって検出された後、人間による審査の結果、Metaの危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーに違反しているとして削除されました。両利用者が異議を申し立てました。

主な調査結果

委員会は、両投稿が、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関する規定に違反していると判断します。この規定では、「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護、指示したり、明示的な意図を示したりする」コンテンツが禁止されています。1つ目の事例では、「vote often」(何度も投票しよう)というフレーズが、多重投票の集計に関するAECの情報と組み合わされて、違法投票への関与を明確に呼びかけています。Metaの内部ガイドラインによると、2回投票することは「違法投票」の一種です。2つ目の事例では、「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)というフレーズの使用がテキストオーバーレイの他の部分と並んで、多重投票で人びとが投票所に押し寄せることを推奨していると理解できます。いずれの投稿にも、非難、意識向上、報道、またはユーモアや風刺の文脈でのポリシーの例外は適用されませんでした。とりわけ、意識向上について、これらの投稿は、AECによるXの投稿を議論するにとどまらず、AECが多重投票を許可しているかのように情報を文脈から切り離してしるため、この例外には該当しません。

利用者が他者に不正投票を呼びかけるのを防ぐことは、投票権を保護する正当な目的です。委員会は、政治的発言を民主主義プロセスの重要な要素であると考えています。これらの事例では、どちらの利用者も国民投票によって引き起こされた公共の議論に直接的に関与していましたが、違法行為に関与するよう他者に呼びかけたことで、オーストラリアに住む人々の政治的権利、特に投票権に影響を与えました。つまり、「vote No」(Noに投票しよう)という呼びかけは政治的発言として保護されますが、「vote often」(何度も投票しよう)や「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)というフレーズは別の問題です。委員会は、「先住民の声」国民投票が不正に操作されたという主張が頻繁にあったことを考慮し、Metaがプラットフォーム上で不正投票の試みが拡散することを防止することで、民主主義のプロセスを保護したことは正しかったと判断します。

委員会は、「先住民の声」国民投票におけるMetaの取り組みを認めます。同社は、危害を加えるための計画および犯罪の助長、および偽情報に関するコミュニティ規定における選挙への干渉に関する規定に基づく違反の可能性があるコンテンツを積極的に特定しました。本事例では、「double vote」(二重投票)や「vote multiple times」(何度も投票しよう)というフレーズが、Metaのキーワードベースの検出システムを作動させるキーワードでした。Metaによると、このシステムは地域の文脈に適応しています。共有された情報に基づき、委員会は、このようなイニシアチブは選挙が行われている国で世界的に一貫して適用されるべきであることを指摘します。ただし、Metaは、キーワードに基づく検出がどの程度効果的であるかを評価するための成功指標を設定することが推奨されます。

最後に、委員会は、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の一般向けの規則が十分に明確でないと判断します。一般向けの規則には、Metaの内部ガイドラインで審査担当者が参照できる「違法投票」の定義が含まれていません。利用者がソーシャルメディア上で民主主義的な出来事に関する公益的な問題について議論できることは極めて重要であるため、Metaは、利用者に対してその規則を明確に伝える必要があります。

監督委員会の決定

監督委員会は、両方の事例でコンテンツを削除するというMetaの決定を支持します。

委員会は、Metaが次の対応をするよう勧告します。

  • 危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーにおけるコンテンツの禁止事項「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護、指示したり、明示的な意図を示すこと(非難、意識向上、報道、またはユーモアもしくは風刺の文脈でシェアされる場合は除く)」という一般向けの文言に、「違法投票」の定義を追加する。

* 事例の概要はその事例の要約であり、先例としての価値はありません。

事例に関する決定の詳細

1. 審査結果の概要

監督委員会は、オーストラリア選挙委員会(AEC)によるX (旧Twitter)上の投稿のスクリーンショットを含んだ、Facebook上の2件の個別の投稿を削除するMetaの決定を支持します。当該Facebook利用者らによって投稿されたAECによる情報のスクリーンショットには、次の文言が含まれていました。「If someone votes at two different polling places within their electorate, and places their formal vote in the ballot box at each polling place, their vote is counted」(有権者が選挙区内の2か所の異なる投票所で投票し、各投票所で正式な投票用紙を投票箱に入れた場合、両方の票が数えられます)。1つ目のFacebook投稿では、「vote early, vote often, and vote NO」(期日前に、何度も、Noに投票しよう)というキャプションがスクリーンショットに添えられていました。2つ目のFacebook投稿では、スクリーンショットにテキストオーバーレイで「so you can vote Multiple times … they are setting us up for a ‘Rigging’ … smash the voting centres… it’s a NO, NO, NO, NO, NO」(そうすると、何度も投票できるわけだ…不正操作のお膳立てをしているも同然…投票所を破壊しよう…NO、NO、NO、NO、NO)と表示されていました。また、キャプションには、「stop」の絵文字の後に「Australian Electoral Commission」(オーストラリア選挙委員会)と記載した表現も含まれていました。

委員会は、両方の投稿が、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定に違反すると判断します。この規定には、「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護、指示したり、明示的な意図を示すこと(非難、意識向上、報道、またはユーモアもしくは皮肉の文脈でシェアされる場合は除く)」を禁止しています。また、委員会は、いずれの例外も適用されないと判断します。

これらの事例は、選挙や国民投票といった民主主義プロセスを背景に文脈から切り離された情報をシェアすることをめぐる広範な懸念を提起しています。このような情報のシェアは人々の投票権に影響を与える可能性があります。委員会は、Metaに対して、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の下で有権者および/または国勢調査の詐欺に関連するポリシーの規定をより明確に説明し、何が「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加すること」とみなされるか明確にするよう勧告します。

2. 事例の説明と背景

2023年10月14日、オーストラリアは、「国会への先住民の声」国民投票を実施しました(以下「先住民の声」国民投票」)。投票の数日前、あるFacebook利用者が、自身が管理するグループで、オーストラリア選挙委員会(AEC)の公式アカウントによるX上の投稿のスクリーンショットを含む投稿をシェアしました。AECによるX上の投稿には、以下の文言が含まれていました。「If someone votes at two different polling places within their electorate, and places their formal vote in the ballot box at each polling place, their vote is counted」(有権者が選挙区内の2か所の異なる投票所で投票し、各投票所で正式な投票用紙を投票箱に入れた場合、両方の票が数えられます)。また、当該スクリーンショットには、X上の同じスレッドの別のコメントも含まれています。そのコメントでは、投票の秘密厳守のため、AECが「knowing which ballot paper belongs to which person」(どの投票用紙がどの有権者のものかを把握する)ことはできないと説明しつつ、「the number of double votes received is incredibly low」(実際の二重投票の数は極めて少ない)と伝えることで人々を安心させようとしています。しかし、当該スクリーンショットは、AECによってシェアされた情報のすべてを提示しているわけではなく、複数回の投票がオーストラリアで違法行為にあたる点には触れていません。1つ目のFacebook投稿には、「vote early, vote often, and vote NO」(期日前に、何度も、Noに投票しよう)というキャプションが添えられていました。

その1日後、別のFacebook利用者が、X上のAECの投稿を映した同じスクリーンショットを含む別の投稿を自身のプロフィール上でシェアしました。スクリーンショットに追加されたテキストオーバーレイには「so you can vote Multiple times.They are setting us up for a ‘Rigging’ … smash the voting centres … it’s a NO, NO, NO, NO, NO」(そうすると、何度も投票できるわけだ…不正操作のお膳立てをしているも同然…投票所を破壊しよう…NO、NO、NO、NO、NO)と表示されていました。また、キャプションには、「stop」の絵文字の後に「Australian Electoral Commission」(オーストラリア選挙委員会)と記載した表現も含まれていました。

どちらの投稿もMetaによって事前に検出されました。本事例では、「double vote」(二重投票)や「vote multiple times」(何度も投票)というフレーズが、Metaの「キーワードベースのパイプラインイニシアチブ」を作動させるキーワードでした。このキーワードベースの検出アプローチは、「有権者や国勢調査への干渉に関連するコンテンツを含むがこれに限定されない、違反の可能性のあるコンテンツ」を事前に特定するためにMetaが利用する体系的な手順です。その後、どちらの投稿も自動的に人間による審査に振り分けられました。人間による審査を受けて、いずれの投稿も、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーに違反するとして削除されました。Metaはまた、両利用者のプロフィールに標準的なストライクと30日間の機能制限を適用し、Facebookグループへの投稿やコメント、ニュース共有グループの作成、Messengerルームへの参加を当該利用者ができないようにしました。

委員会は、当該各事例における判断を下すにあたり以下の背景情報に留意しました。

「先住民の声」国民投票では、「アボリジニおよびトレス海峡諸島民に関連する事項について連邦議会および行政府に意見を述べる」ことができる「アボリジニおよびトレス海峡諸島民の声(Aboriginal and Torres Strait Islander Voice)と呼ばれる組織を設立することによって」、オーストラリアの先住民族を認めるためにオーストラリアの憲法を改正すべきかどうかが問われました。「先住民の声」国民投票に関連する背景情報として、オーストラリアにおけるアボリジニおよびトレス海峡諸島民は、同国で社会的および経済的に最も不利な立場に置かれているグループの1つで、失業率が高く、高等教育への進学率が低く、健康状態(身体的、精神的健康の両方)が悪く、平均寿命が他のオーストラリア人よりもはるかに短く、収監率も高いです。また、アボリジニおよびトレス海峡諸島民は、差別に直面し、性別に基づく暴力や警察による暴力によって不釣り合いな影響を受けています。

アンソニー・アルバニージー首相は憲法改正に賛成し(「Yes」を支持)、オーストラリアの主要野党連合は反対(「No」を支持)ました。この提案は、6州すべてで反対多数となり全国的に否決され、オーストラリア憲法改正に必要な二重の過半数を確保することはできませんでした。

オーストラリアでは投票が義務付けられており、AECは、1924年以降のすべての選挙および国民投票の投票率が約90%であることを報告しています。1918年連邦選挙法および1984年国民投票(手続規定)法に基づき、多重投票は、州および連邦レベルの両方で選挙詐欺の一種です。「先住民の声」国民投票における多重投票の主張に対して、AECはXに長文のスレッドを投稿し、多重投票は「非常にまれ」であると述べ、AECが実施している防止策を概説しました。AECはそのウェブサイトで、二重投票に対抗するため、選挙区の全有権者を記載した同一の認定名簿が各投票所に発行されると説明しています。選挙人が投票用紙一式を交付されると、その交付場所にある認定名簿でその人の氏名に済みの印がつけられます。選挙人が別の交付場所に行って別の普通投票を行うと、その選挙区の認定名簿の別のコピーに、その人が投票用紙を交付されたことを示す印が付けられます。投票日の直後、各選挙区の同一の認定名簿がスキャンされ、氏名に複数の印がついている事例がないか確認が行われます。その後、AECは調査を行い、多重投票の疑いがある各選挙人に手紙を送ります。その回答に基づき、「投票職員のミス」、「言語や識字能力の問題」、「高齢で混乱しており、すでに投票したことを忘れて複数回投票した」などの理由で問題が解決されます。解決できない場合、残りの事例はAECによる追加調査が行われ、検討のためにオーストラリア連邦警察に転送される場合もあります。

2019年、AECは、多重投票は「very small problem」(非常に小さな問題)であり、91.9%の投票率のうち複数印が入ったのはわずか0.03%であり、多重投票の大半は高齢者、識字能力の低い有権者、選挙プロセスの理解度が低い有権者による間違いであったと証言しました。AECは、委員会に提出したパブリックコメントの中で、オーストラリアにおける多重投票の発生率は「negligible」(ごくわずか)であると繰り返しました。AECによると、2022年の連邦選挙に関連して、総投票数1,550万票のうち、明らかに多重投票と思われる13件のみが、さらなる捜査のためにオーストラリア連邦警察に付託されました(PC-25006、PC-25007も参照)。

委員会が意見を求めた専門家によると、「先住民の声」国民投票が不正に行われたという主張が頻発し、「#StopTheSteal」や「#RiggedReferendum」のハッシュタグを添えた投稿もありました。ジャーナリズムの報道も同様に、「先住民の声」国民投票に関連する不正投票の主張がよくなされていたことを取り上げています。委員会が意見を求めた専門家が導入しているソーシャルメディアモニタリングツールによると、2024年2月の時点で、X上でのAECの投稿のスクリーンショットは、Metaのプラットフォームで475回以上シェアされ、数千件のリアクションを獲得し、閲覧回数は3万回以上に上りました。

3. 監督委員会の権限と範囲

委員会には、コンテンツを削除された利用者からの異議申し立てを受けて、Metaの決定を審査する権限があります(憲章第2条第1項、定款第3条第1項)。

委員会は、Metaの決定を維持するか、または無効とすることができ(憲章第3条第5項)、この決定は同社に対して拘束力があります(憲章第4条)。Metaは、類似した文脈にある同一のコンテンツについて、委員会の決定の適用が実現可能かどうかについても評価しなければなりません(憲章第4条)。委員会の決定には、拘束力のない勧告を含めることができ、Metaはこれに回答しなければなりません(憲章第3条第4項、第4条)。Metaが勧告に基づき行動することを約束する場合、委員会はその実施をモニタリングします。同様の問題を提起する事例を委員会が特定した場合、これらの事例は一括してパネルに割り当てられ、まとめて審査される可能性があります。この場合、各コンテンツに関して拘束力のある決定が下されることになります。

4. 先例および指針の資料

本各事例における委員会の分析は、次に掲げる基準および先例に基づいて行われました。

I. 監督委員会の決定

II. Metaのコンテンツポリシー

Metaの危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーの基本理念には、同ポリシーが、「人、ビジネス、財産、動物を対象とする特定の犯罪行為や有害行為について、これらを助長、計画、宣伝すること、またはそのような行為を告白する」コンテンツを禁止することで、「オフラインでの危害と模倣行為を防止および阻止」することを目的としていることが記載されています。同ポリシーは、「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することに関する擁護、指示、または明示的な意図の表明(非難、意識向上、報道、またはユーモアもしくは皮肉の文脈でシェアされる場合は除く)」を行うコンテンツの投稿を禁止しています。

また、有権者や国勢調査への干渉に関するコンテンツには、正当化する追加的な背景情報があれば、同ポリシーのもとで削除できるものもあります。これには、「公式の国勢調査または選挙への個人の参加資格に影響を及ぼしうる計画的な干渉の助長」や、「選挙会場に行き、有権者や選挙管理当局者の活動を監視するか見張るよう求める脅迫(脅迫に関する言及と組み合わされている場合)」が含まれます。

Metaの暴力と扇動に関するポリシーは、Metaプラットフォーム上に投稿されたコンテンツに関連して「起こりうるオフラインでの危害」を防止することを目的としています。同ポリシーは、「死につながる可能性のある暴力(または、その他の形態の深刻度が高い暴力行為)の脅迫」や、「投票所、開票作業や選挙運営に使用される場所」などの「場所に対する、武装、武器の持ち込み、力ずくでの侵入の脅迫」を禁止しています。また、「標的が存在しない場合」も含む「投票、有権者の登録、選挙の運営や結果に関する」暴力の脅迫も禁止しています。

Metaの偽情報に関するポリシーは、偽情報のさまざまなカテゴリを同社がどのように扱うかを明確にしています。そのカテゴリの1つにおいて、Metaは、「選挙や国勢調査の健全性を促進する取り組みとして」、「このような(政治的)プロセスに人々が参加する能力を妨害するリスクに直接つながる可能性が高い偽情報を削除します」。これには「投票できる人、投票資格、投票の有効性、投票するために提供しなければならない情報や書類に関する偽情報」が含まれます。

III. Metaの人権保障責任

国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)は、国連人権理事会により2011年に採択された、人権に関して民間企業が負う責任について自主的な枠組みを定めた基準です。Metaは2021年、企業人権ポリシー発表しました。同ポリシーで、MetaはUNGPsに従って人権の尊重に注力することを再確認しました。委員会は、本事例での人権に対するMetaの責任について、次に掲げる国際基準に基づき分析しました。

  • 表現の自由の権利: 市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第19条、規約人権委員会の一般的意見34(2011年)、意見及び表現の自由に関する国連特別報告者(UN Special Rapporteur on freedom of opinion and expression)報告書: A/HRC/38/35 (2018年)、A/74/486 (2019年)
  • 投票権および政治に参与する権利: ICCPR第25条、規約人権委員会の一般的意見25(1996年)

5. 利用者からの陳述書の提出

委員会への陳述所の中で、両利用者は、AECが掲載した情報をシェアしているに過ぎないと主張しました。さらに、2つ目の投稿を行った利用者は、自身の投稿について、名簿で自分の名前に印がつけられるために「本人確認書類を提示する必要がない」ために多重投票を許してしまっていることから、「選挙が不正である可能性がある」という「他者への警告」になっていると主張しました。

6. Metaからの情報提供

Metaは、両方の投稿が、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護、指示したり、明示的な意図を示したりする」というポリシーの文言に違反していると判断しました。コンテンツ審査担当者向けのMetaの内部ガイドラインに基づくと、投票への干渉に関するMetaのポリシーは、選挙および「国が指定した当局によって計画された公式の国民投票」の両方に適用されます。「違法投票」には、「(a)二重に投票すること、(b)投票情報を捏造し、投票資格のない場所で投票すること、(c)投票資格を捏造すること、(d)投票用紙を盗むこと」を含みますが「これに限定されません」。

1つ目の投稿に関して、Metaは、「vote often」(何度も投票しよう)というフレーズは「通常、選挙で1回以上違法に投票することを意味すると理解される」と協調しました。Metaはまた、利用者が「NO」に投票するよう人びとに呼びかけていることは、同社の見解では利用者の政治的嗜好を宣伝しようとする重大な試みであり、よってこのフレーズはユーモアや風刺を意図したものではないと判断しました。同社はまた、選挙に関するコンテンツを大規模に審査する場合、風刺の可能性がある投稿をする利用者の意図を必ずしも判断できるわけではないことを委員会に伝えました。

2つ目の投稿に関して、Metaは、「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)というフレーズが違反していると判断しました。同社は、この利用者の呼びかけは「多重投票で選挙を混乱させることを擁護していると読み取れる」と説明しました。これは、「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護」することを禁止する、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーの規定で禁止されています。

Metaによれば、このフレーズは、投票所の建物を破壊する呼びかけを意味するものと文字通りに解釈すれば、暴力と扇動に関するポリシーの違反となります。このポリシーでは、(i)標的とされた場所にいる人の死亡や重傷につながるような、建物に対する深刻度が高い暴力行為の脅迫、(ii)「標的が存在しない場合」も含む「投票、有権者の登録、選挙の運営や結果に関する」暴力の脅迫を禁止しています。コンテンツ審査担当者向けのMetaの内部ガイドラインによると、あるコンテンツをこのポリシーに基づく違反とみなすには、場所に対する脅威が「明確な用語」(「blow up」(爆破)、「burn down」(焼き払う)、「hoot up」(撃ち落とす)など)、および一般的な用語(「attack」(攻撃)、「ambush」(奇襲)、「destroy」(破壊)など)で記述されている必要があります。

Metaは、2023年7月にブログ投稿で、「先住民の声」国民投票に対する同社の公正性の取り組みを公開しました。Metaはさらに、2023年4月、国民投票に向けた準備を開始するための部門横断チームを設立したことを委員会に伝えました。このチームは国政選挙の標準的な慣行に従って、アジア太平洋を拠点とするチームで構成されました。Metaはまた、投票前のキャンペーン最終週に、緊張が高まるであろう時期に国民投票に集中するため、バーチャルのインテグリティプロダクトオペレーションセンター(IPOC)を設立しました。IPOCには、投票日までの間に発生したエスカレーションや重大なリスクに迅速に対応するための追加のオペレーションチームが含まれていました。Metaは、「先住民の声」国民投票に危機管理ポリシープロトコルやその他のポリシー手段を適用しませんでした。

Metaはまた、同社の「キーワードベースのパイプラインイニシアチブ」について説明しました。これは、「特定のキーワードをスキャンする専用のデジタルパイプライン」を通じて、テキストであるかスクリーンショットのような画像であるかに関わらず、キーワードを含んだ違反の可能性のあるコンテンツを特定し、自動的に人間による審査に振り分けるものです。Metaは委員会に対して、そのリストにはMetaの偽情報チームと地域チームが作成した多くの単語やフレーズが含まれていると述べました。このキーワードベースの検出システムの主な機能は、「関連性の高いコンテンツを体系的に特定し、手動で審査する」ことによって、選挙と国民投票の「公正性を確保」することです。本事例では、「先住民の声」国民投票に設定されたバーチャルIPOCのため、キーワードベースの検出システムが有効になりました。Metaは、このイニシアチブを全世界で実施しています。これは特定の国や地域に限定されるものではありませんが、地域の文脈に適応しています。Metaによると、キーワードのリストは「動的」で、変更される可能性があり、「個々のイベントの性質に固有」のものです。

このイニシアチブは、Metaのコミュニティ規定の次の分野を積極的に施行することを目指しています: (i)「現金やギフトによって票を売買すること、および投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて擁護または指示する発言を含む、有権者詐欺や国勢調査に関する詐欺」に対処する、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシー、ならびに(ii)「投票や国勢調査の日付、場所、時間、方法、投票資格、開票、投票に必要な資料に関する偽情報」を含む、投票者または国勢調査への干渉に焦点を当てた偽情報に関するポリシー。「先住民の声」国民投票のキーワードベースの検出システムは、選挙や投票に関する他のコンテンツポリシー(暴力と扇動に関するコミュニティ規定に基づくものなど)を積極的に施行するようには設計されていません。ただし、このイニシアチブによってフラグされたコンテンツが他のコミュニティ規定に違反している場合は、人間による審査の上、執行の対象となります。

本事例のコンテンツに関しては、「double vote」(二重投票)や「vote multiple times」(何度も投票)というフレーズが、Metaのキーワードベースの検出システムを作動させるキーワードでした。「double vote」(二重投票)という用語は、当該Facebook投稿の中で直接使用されていたわけではありませんが、X上のAECの投稿のスクリーンショット内にありました。このようなキーワードを含むコンテンツは、テキストであってもスクリーンショットのような画像であっても、「投票妨害に関連する発言を積極的にモニタリングするため、自動的にフラグされ人間による審査に振り分けられます」。

委員会はMetaに書面で12件の質問をしました。質問は、投票への干渉に関するMetaのコンテンツポリシー、キーワードベースの検出システム、「先住民の声」国民投票に関連するコンテンツのモデレーションのためにMetaが採用したプロトコルに関するものでした。Metaはすべての質問に回答しました。

7. パブリックコメント

監督委員会には、提出条件を満たす5件のパブリックコメントが寄せられました。このうち、3件はアジア太平洋・オセアニアから(すべてオーストラリアから)、1件は米国およびカナダから、1件は欧州からのものでした。公開に同意して提出されたパブリックコメントを読むには、こちらをクリックしてください。

提出された意見では、「先住民の声」国民投票に至る社会歴史的な背景、オーストラリアにおける不正投票の歴史、「先住民の声」国民投票における誤解を招くような文脈を逸脱した情報の拡散、より一般的な偽情報に関するMetaのコンテンツポリシーと施行手法について取り上げられていました。

8. 監督委員会による分析

委員会は、これらの投稿が削除されるべきか否かという点について、Metaのコンテンツポリシー、人権保障責任および同社が重んじる価値観を分析することにより検討を加えました。また、コンテンツガバナンスに対してMetaが取るより広いアプローチに関して、本事例が意味するところについても評価しました。

委員会がこれらの事例を選定したのは、2024年に歴史的な数の選挙が予定されていることを踏まえ、誤解を招く情報や文脈を逸脱している情報および不正投票に対する、Metaのコンテンツモデレーションに関するポリシーと施行手法を検討するためです。これらの事例は「選挙および市民空間」という委員会の戦略的な優先事項に該当します。

8.1 Metaのコンテンツポリシーへの準拠

I. コンテンツルール

委員会は、両投稿とも投票や国勢調査のプロセスへの違法な参加を擁護することを禁止する危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーに違反していると判断しました。1つ目の投稿の「vote often」(何度も投票しよう)というフレーズは、多重投票の集計に関するX上のAECの投稿と一緒にシェアされることで、そのような行為への関与を明確に呼びかけるものです。コンテンツ審査担当者向けのMetaの内部ガイドラインに基づき、「2回投票する」ことは「違法投票」の一種です。

2つ目の投稿も危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーに違反しています。当該投稿には、X上の投稿のスクリーンショットが含まれ、テキストオーバーレイで「so you can vote Multiple times」(so you can vote multiple times」(そうすると、何度も投票できるわけだ)と表示されていました。また、人びとに「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)と行動を促しています。当該利用者は、「vote multiple times」(何度も投票)を許しているとされるAECに対する不満を表明しようとしているだけの可能性もあります。しかし、このフレーズは、AECが多重投票を容認していると主張し、人びとに「rigging」(不正操作)のお膳立てをしていると非難する、スクリーンショット上の残りのテキストオーバーレイと一緒に読むと、多重投票で人びとが投票所に押し寄せることを擁護していると、より合理的に理解することができます。投票が義務付けられており投票率が90%を超えるオーストラリアの選挙の文脈で、「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)は、特にこの呼びかけが「can vote multiple times」(何度も投票できる)という主張のあとに提示された場合、1回のみ投票することの呼びかけと解釈される可能性は低いと考えられます。このことは、利用者が繰り返し「No」に投票することを求めていること(「NO, NO, NO, NO, NO」)がさらなる裏付けとなっています。全体として、またオーストラリアの選挙の文脈で読めば、当該投稿は、二重投票を呼びかけるものであり、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーで禁止されている「違法投票」に該当します。

委員会は、これらの投稿が風刺の目的で作成されたものである可能性はあるものの、その風刺的意図が明確ではないと認識しています。委員会は、キャプションの文言や画像のテキストオーバーレイから、これらの投稿が風刺を暗示的に表現したものであったとは考えていません。呼びかけの確実性の程度は両投稿で異なるものの、いずれの投稿も多重投票(つまり「違法」投票)への関与の呼びかけを含んでいます。選挙の文脈における不正投票の企てに関連するリスクを考慮すると、委員会は、ユーモアや風刺に適用されるMetaの例外は、そのような状況において、明らかにユーモアのあるコンテンツにのみ適用されるべきであると考えます。そのため、どちらの投稿にもこの例外は適用されません。

また、両投稿は、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーに基づく意識向上の例外も適用されません。スクリーンショットと利用者が作成したコンテンツの大半は、AECの発言に基づく不正投票の可能性に注意を促すものでした。しかし、当該投稿は、X上のAECの投稿について議論するだけにとどまらず、人びとが多重投票を通じて「先住民の声」国民投票に違法に参加するよう積極的に促しました。これらの投稿には、AECがX上の同じスレッドで提供した、オーストラリアでは多重投票が違法行為であることを伝える追加の背景情報が含まれていませんでした。そのため、両投稿は、多重投票の可能性についての意識を向上させるのではなく、AECの情報の文脈から逸脱して、AECが複数回投票することは許されると言っているかのようにほのめかしています。

Metaとは異なり、委員会は、本事例では、「smash」(建物の破壊を意味する)という単語をより文字通りに解釈することは適切ではないと考えています。これは、そのような方向性を示すシグナル(例えば、暴力を直接扇動するようなコンテンツが広く拡散することによる紛争や緊張の高まりといった文脈など)がないためです。そのため、委員会は、2つ目の投稿はMetaの暴力と扇動に関するポリシーに違反しないと結論付けました。

また委員会は、両コンテンツがAECの情報の文脈から逸脱していることを考慮して、Metaの偽情報に関するポリシーに照らしてこれらを評価しました。しかし、委員会は、両利用者が他者に不正投票を促していることから、危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定が本事例に適用されるポリシーであると結論付けました。

II. 施行措置

委員会は、Metaが採用したキーワードベースの検出システムを含む、「先住民の声」国民投票に対するMetaの公正性への取り組みを認めます。同社は、危害を加えるための計画および犯罪の助長、および偽情報に関するコミュニティ規定における選挙への干渉に関する規定に基づく違反の可能性があるコンテンツを積極的に特定するため、このシステムを導入したと説明しました。Metaによると、キーワードベースの検出システムは、地域の文脈に適応しており、市場特有の用語も含まれています。Metaが委員会に共有したイニシアチブのしくみに関する情報に基づき、委員会は、キーワードベースの検出システムが導入され、本事例で機能したことを評価します。このようなイニシアチブは、選挙やその他の民主主義プロセスが実施されているすべての国において、世界中で一貫して適用される必要があります。委員会はまた、このイニシアチブが、暴力と扇動に関するコミュニティ規定の下での投票への干渉および関連するポリシーを包含すべきであると考えます。

有害なコンテンツの検出におけるキーワードベースのアプローチの限界を考慮して、委員会は、他の選挙関連の事例におけるMetaのシステムの有効性を引き続き評価します。この点に関して、委員会はMetaに対し、選挙関連のポリシーに基づく違反の可能性があるコンテンツを特定する上で、選挙の公正性に対する他の取り組みとともに、キーワードベースの検出システムがどの程度効果的であるかを評価するための成功指標を構築するよう勧告します。これは、「Metaの選挙の公正性を保全する取り組みを評価するための枠組を構築する」ことをMetaに求めた、ブラジルの将軍による演説の決定における委員会の勧告と同様です。

8.2 Metaの人権保障責任の遵守

表現の自由(ICCPR第19条)

市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第19条は、「あらゆる種類」の表現に対する広範な保護を規定しています。この権利は「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由」を含んでいます。国連規約人権委員会は、表現の意義は、政治問題や候補者、選挙で選ばれた代表者について論じる際に特に高いものとなることを強調しています(一般的意見34、第13項)。これには、「極めて攻撃的」な表現、公的機関に批判的な表現、誤りの可能性のある意見が含まれます(一般的意見34、第11、38、49項)。

国連規約人権委員会は、政治の遂行および投票権の実効的な行使のために表現の自由が重要であることを強調しました(一般的意見34、第20項)。さらに、国連規約人権委員会は、ICCPR第25条の政治に参与する権利と投票権を享受するためには、市民の間で公的および政治的問題に関する情報や考えが自由に伝達されることが不可欠であると述べています(一般的意見25、第25項)。本事例では、両利用者は、国民投票という公益的な問題に関与してその結果がどうあるべきかについて意見を共有しており、国民投票のプロセスによって引き起こされる公共の議論に直接参加しています。

国が表現を制限する場合、その制限は合法性、正当な目的、および必要性と相応性の各要件を満たさなければなりません(ICCPR第19条第3項)。これらの要件はよく「3要素のテスト」と呼ばれます。委員会は、審査対象であるコンテンツに関する個別の決定、およびこれがコンテンツガバナンスに対するMetaの幅広いアプローチについて示す内容の両方に関して、この枠組みを用い、人権に対するMetaの自主的な取り組みを解釈します。以前の事例(アゼルバイジャンのアルメニア人アルメニアの戦争捕虜の動画など)と同様、委員会は、「企業には政府と同じ義務はないが、影響力が高いため、ユーザーの表現の自由に対する権利の保護に関して、企業も政府と同様の問題を評価する必要がある」という表現の自由に関する国連特別報告者の意見に同意します(A/74/486、第41項)。そうすることで、委員会は、民間のソーシャルメディア企業の人権保障責任が、人権保障義務を果たす政府と異なる可能性がある点に注意を払おうとしています。

I. 合法性(規則の明確さとわかりやすさ・閲覧可能性)

表現を制限する規則は、規則を適用する者と規則によって影響を受ける者の双方にとって明確に定義され、伝達されるべきです(一般的意見34、第25項)利用者は、FacebookやInstagramにコンテンツを投稿することの結果を予測できるべきです。表現の自由に関する国連特別報告者は、コンテンツモデレーションポリシーにおける「明確性と具体性」の必要を強調しています(A/HRC/38/35、第46項)。

危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の一般向けの文言は利用者にとって十分に明確ではありません。民主主義的な出来事の文脈で公益的な問題について議論するために利用者がソーシャルメディアに参加できることの重要性を考慮すると、Metaは、利用者に対して適用される規則を明確に伝える必要があります。これによって、利用者は、投稿するコンテンツに違反の可能性があるかどうかを予測することができます。この点に関して、委員会は、「違法投票」とみなされるものに関する内部ガイドラインの説明を、一般向けの危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定に取り入れるべきであると判断します。

II. 正当な目的

表現の自由の制限は、正当な目的を追求するものである必要があります(ICCPR第19条第3項)。正当な目的には「公の秩序」および「他者の権利」の保護などがあります。

危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーは、「特定の犯罪行為や有害行為について、これらを助長、計画、宣伝すること、またはそのような行為を告白する」コンテンツを削除することで「オフラインでの危害と模倣行為を防止および阻止」することを目的としています。

投票する権利および政治に参与する権利を保護することは、Metaの危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するポリシーが、特に選挙という文脈において、合法的に追求できる目的です(ICCPR第25条)。委員会は、利用者が他者に不正投票を呼びかけるのを防ぐことは投票権を保護する正当な目的であると判断します。投票権に関する一般的意見25には、「選挙人が投票及び開票の安全を信頼できる」ように「投票及び開票に対する独立した審査がなされるべき」であると述べられています(第20項)。さらに、「1人1票の原則が適用されなければならず」、「1人の選挙人の投票は他の1人の投票と同等であるべきである」としています(第21項)。委員会はまた、より広い意味において、同ポリシーが投票所と民主主義プロセスを有権者への干渉から保護することにより、「公の秩序」を維持するのに役立っていることにも留意します。

III. 必要性と相応性

ICCPR第19条第3項に基づき、必要性と相応性は、表現に対する制限が「保護機能を果たすため適切なものでなければならず、保護すべき利益に相応でなければならない」としています(一般的意見34、第34項)。ソーシャルメディア企業は、自社の人権保障責任の一環として、制限の範囲を狭めるよう、問題のあるコンテンツに対して削除以外のさまざまな対応を検討する必要があります(A/74/486、第51項)。

委員会は、Metaが両コンテンツをFacebookから削除したことは必要性と相応性の要件を満たしていると判断します。委員会は、オーストラリアで(特にアボリジニおよびトレス海峡諸島民にとって)憲法上重要な意味を持つ国民投票の数日前に当該コンテンツが投稿されたことに留意します。一方では、政治的発言は民主主義プロセスの重要な構成要素であり、両利用者は国民投票によって引き起こされた公共の議論に直接的に関与していました。他方では、国民投票の文脈で利用者が他者に違法行為への関与を呼びかけたことは、オーストラリアに住む人びとの政治的権利、特に投票する権利や政治に参与する権利に影響を与えました。

これらの基準を本事例のコンテンツに当てはめると、両投稿における「vote NO」(Noに投票しよう)という呼びかけは、明らかに保護されるべき政治的発言です。しかし、1つ目の投稿の「vote often」(何度も投票しよう)というフレーズと、2つ目の投稿の「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)というフレーズは、上記セクション8.1で詳述したように、多重投票よって「先住民の声」国民投票に違法に参加することを他者に積極的に促すものであったため、別問題です。委員会が意見を求めた専門家によると、この国民投票が不正に操作されたという主張が頻発し、ジャーナリズムの報道でも不正投票の主張がよくあったことが取り上げられていました。そのため、委員会は、Metaがプラットフォーム上で不正投票の試みが拡散することを防止することで、民主主義のプロセスを保護するという慎重な姿勢をとったことは正しかったと判断します(一般的意見25)。不正投票に関連するコンテンツの拡散は、選挙プロセスの公正性が危険にさらされる環境を作り出す可能性があります。しかし、委員会の少数派は、Metaが「表現とその脅威との直接的な関係」(一般的意見34、第35項)を示すことができなかったことを考えると、「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)と人びとに促す投稿の削除は必要性と相応性のテストに合格しないと判断します。少数派にとって、「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)という呼びかけが多重投票のあいまいな呼びかけであることを考えると、不正投票の脅威との関係は直接的なものではありませんでした。

委員会は、Metaが例外を適用する際に、コンテンツが非難、意識向上、報道、またはユーモアや風刺の文脈でシェアされたものであるかどうかを評価するために、利用者から明確な情報の提供を求めるというMetaのアプローチは賢明なものであると考えています。委員会による分析に基づくと、「vote often」(何度も投票しよう)および「smash the voting centres」(投票所を破壊しよう)というフレーズが、多重投票を明確に擁護するのではなく、「先住民の声」国民投票の公正性を危険にさらす行為という修辞的な意味をもっていたという明確な兆候は当該投稿にはありませんでした。したがって、両投稿を削除するというMetaの対応は必要かつ相応なものでした。

さらに、委員会の少数派は、コンテンツの削除が不正投票に関連する発言に対処するためにMetaが実施できる最も干渉性の低い方法であるとは確信しておらず、最も干渉性の低い方法であることをMetaが証明しないことは必要性と相応性の要件を満たさないと判断しています。国連特別報告者は、「国が発言に対する制限が最も干渉性の低いアプローチであるかどうかを評価すべきであるのと同様、企業もこの種の評価を実施すべきである。また、この評価を実施する際に、企業は必要性と相応性を公開する負担を担うべきである」と述べています(A/74/486、第51項)。少数派にとって、Metaは、不正投票のような目先の被害を回避するために自由に使える多くの手段の中で、なぜ当該投稿の削除が最も干渉性の低い方法なのかを公表すべきでした。そのような正当化を提示することができない場合、Metaは透明性をもって、発言に対する自社の規則が国連の人権基準から逸脱していることを認め、その正当な理由を公表すべきです。そうすれば委員会はMetaの公的な正当化を検討する立場になり、既存の国連人権基準を歪めるリスクを冒すことなく公的な対話が行われるであろうと、少数派は考えます。

9. 監督委員会の決定

監督委員会は、両コンテンツを削除するというMetaの決定を支持します。

10. 勧告

コンテンツポリシー

1. 危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の「有権者詐欺や国勢調査に関する詐欺」のセクションで禁止されているコンテンツのタイプについて利用者に十分な情報を提供するため、Metaは、「投票や国勢調査のプロセスに違法な形で参加することについて、擁護、指示したり、明示的な意図を示すこと(非難、意識向上、報道、またはユーモアもしくは皮肉の文脈でシェアされる場合は除く)」を禁止する同ポリシーの一般向けの文言に、「違法投票」の定義を追加するべきです。

委員会は、Metaが危害を加えるための計画および犯罪の助長に関するコミュニティ規定の一般向けの文言を更新してこの変更を反映した時点で、Metaがこの勧告に従ったものとみなします。

*手続きに関する注記:

監督委員会の決定は、5名のメンバーからなるパネルにより準備され、委員会の過半数の承認を得ています。委員会の決定は、必ずしもメンバー全員の個人的見解を反映したものではありません。

本事例決定のために、独立した調査が委員会に代わって委託されました。委員会は、地政学、信用と安全、テクノロジーを横断的に扱うアドバイザリー会社であるDuco Advisorsによる支援を受けています。このほか、ソーシャルメディアのトレンドに関するオープンソース調査に従事する組織、Memeticaによる分析の提供も受けました。

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