Decisão de múltiplos casos

2023年のギリシャにおける選挙運動

監督委員会は、ギリシャにおける2023年6月の総選挙の頃に共有された2件のFacebook投稿を併せて審査しました。委員会は、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーに違反するという理由により、これらの事例のコンテンツを削除するというMetaの決定を支持します。

2 casos incluídos neste pacote

Mantido

FB-368KE54E

Facebookでの危険な人物および団体に関する事例

Plataforma
Facebook
विषय
選挙
Padrão
危険な人物または団体
Localização
オーストラリア,ギリシャ
Date
Publicado em 28 de Março de 2024
Mantido

FB-3SNBY3Q2

Facebookでの危険な人物および団体に関する事例

Plataforma
Facebook
विषय
選挙
Padrão
危険な人物または団体
Localização
ギリシャ
Date
Publicado em 28 de Março de 2024

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概要

委員会は、2023年6月のギリシャ総選挙の頃に投稿されたFacebookコンテンツにまつわる2件の事例の審査において、これら両方の事例の投稿を削除するというMetaの措置を支持します。これらの投稿はいずれも、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーに違反しているとして削除されました。1件目の事例は、指定されたヘイトフィギュアに同調する正当な立候補者の発言を含む選挙ビラに関連するものでした。2件目の事例では、指定されたヘイト団体のロゴの画像が共有されました。委員会の多数派は、これらの投稿を削除する措置は、Metaの人権保障責任に沿うものであると判断します。その一方で委員会は、Metaに対し、選挙期間中における「社会的・政治的議論」の文脈でのコンテンツの共有を許可するポリシーの例外の範囲を明確にするよう勧告します。

事例の内容

これら2件の事例は、2023年6月のギリシャ総選挙の頃にそれぞれ異なる利用者によってFacebookに投稿されたコンテンツに関連するものです。

1件目の事例では、ギリシャの政党「スパルタンズ」の立候補者が選挙ビラの画像を投稿しました。この画像には、イリアス・カシディアリス氏(「黄金の夜明け」の犯罪活動およびヘイト犯罪を指揮したとして禁錮13年の判決を受けたギリシャの政治家)が「スパルタンズ」を支持しているという発言があります。

カシディアリス氏と極右政党「黄金の夜明け」のメンバーは、当該政党が2020年に犯罪組織として指定されるまで、ギリシャにおける移民や難民、その他の少数派グループを排斥していました。カシディアリス氏は、2020年に有罪判決が下される前に、新政党「National Party – Greeks」を設立しました。その後の2023年5月に、ギリシャ最高裁判所は、有罪判決を受けた人物が率いる政党が選挙に参加することを禁じるギリシャ法に基づき、2023年の選挙に出馬する資格を「National Party – Greeks」から剥奪しました。カシディアリス氏は、ヘイトスピーチのため、2013年以降Facebookの利用がブロックされていますが、獄中においても他のソーシャルメディアプラットフォームを利用しています。同氏は、これらのプラットフォームを通じて、6月の選挙の数週間前に「スパルタンズ」の支持を表明しました。12議席を獲得した「スパルタンズ」は、当該政党のこうした成功への同氏の貢献について認めました。

2件目の事例では、別のFacebook利用者が「National Party - Greeks」のロゴ画像(「スパルタンズ」というギリシャ語の単語も含む)を投稿しました。

「黄金の夜明け」、「National Party – Greeks」およびイリアス・カシディアリス氏は、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーにおいてそれぞれレベル1のヘイト団体およびレベル1のヘイトフィギュアとして指定されています。

これらの投稿はいずれもMetaに報告されました。Metaは、これらの投稿は危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に違反すると判断し、コンテンツを削除し、それぞれのアカウントに対して厳しいストライクと30日間の制限を適用しました。コンテンツを投稿した両方のFacebook利用者はMetaに異議を申し立てましたが、同社はこれらのコンテンツはいずれも違反であると再び判断しました。これを受け、これらの利用者は委員会に対して別々に異議を申し立てました。

主な調査結果

1件目の事例

委員会の過半数は、当該投稿は、指定された団体を「称賛」することを禁止する、危険な団体および人物に関するポリシー(2023年6月時点でのポリシーの文言)のルールに違反していたため、当該ポリシーに違反していたと判断しています。当該利用者は、ヘイトフィギュアとしてMetaが指定しているカシディアリス氏のイデオロギーに同調することによって、同氏を称賛しています。このことは、このルールにおいてイデオロギーへの同調の例がはっきりと示されているため、利用者とコンテンツモデレーターにとって十分に明確なものであったと考えられます。最新のポリシー更新の後においても、この投稿は、カシディアリス氏への「肯定的な言及」という禁止行為に該当します。

さらに、委員会の過半数は、当該投稿を削除する措置は、一般市民が有する、こうした支持について知る権利を侵害していなかったと指摘しています。地域のメディアを含め、一般市民がカシディアリス氏による「スパルタンズ」党への支持の表明を知り得る機会は他に十分に存在していたといえます。

その一方で、委員会の少数派は、イデオロギーへの同調に関するルールの違反は、カシディアリス氏が正当な立候補者を支持し、当該立候補者がカシディアリス氏を支持していたわけではなかったため、直接的に明白でなかったと判断しています。この少数派は、投票者が意思決定においてできるだけ多くの情報にアクセスできるようにするために、「他の人に知らせる価値」の例外を適用して当該コンテンツをFacebookに残すべきであったとも考えています。

2件目の事例

委員会の過半数は、当該画像は指定された団体である「National Party - Greeks」のシンボルを共有していたため、危険な団体および人物に関するポリシーに違反しており、削除されるべきであったと判断しています。当該利用者は、「報告、中立的な議論または非難」の例外の適用が認められるような背景情報を一切提供していませんでした。

一方で、指定された団体に関連するロゴを単に共有することは、他の違反または有害なコンテンツに関する背景情報がない場合には認められるべきであると考える委員会の少数派もいます。

全体的な懸念

委員会は、選挙期間中における指定された団体に関する「社会的・政治的議論」のポリシーの例外をより明確に公開すべきであると考えています。委員会は、Metaによるヘイト団体の指定にまつわる透明性の欠如に未だ懸念を抱いています。このことは、イデオロギーに同調することやシンボルを共有することが認められる団体や人物を利用者が把握することを困難にしています。

監督委員会の決定

監督委員会は、両方の投稿を削除するというMetaの決定を支持します。

委員会は、Metaが次の対応をするよう勧告します。

  • 「社会的・政治的議論」の文脈において、「危険な団体や個人、その活動について報告したり、中立的な立場で議論または非難したりする」コンテンツを共有することを許可する、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定の例外の範囲を明確にすること。具体的には、Metaは、この例外が選挙関連のコンテンツにどう適用されるかを明確にすべきです。

*事例の概要はその事例の要約であり、先例としての価値はありません。

事例に関する決定の詳細

1. 審査結果の概要

監督委員会は、ギリシャにおける2023年6月の総選挙に関連する2件のFacebook投稿を併せて審査しました。1件目の事例は、ギリシャ総選挙の立候補者の投稿に関連するもので、当該立候補者はこの投稿において自身の選挙運動の詳細と、Metaの危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に基づきヘイトフィギュアに指定されている政治家による支持を紹介する選挙ビラの画像を共有しました。2件目の事例は、これも指定された団体である、ギリシャの政党「National Party ‐ Greeks」のロゴを共有する投稿に関連するものです。このロゴの画像の一部には「スパルタンズ」というギリシャ語の単語が含まれています。Metaは、いずれの投稿も同社の危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に違反するとして削除しました。

委員会の過半数は、これらの事例のコンテンツを削除することは、Metaのポリシーおよび人権保障責任に則していると判断し、Metaによるこの削除措置の決定を支持しています。委員会は、Metaに対し、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に対して同社が新たに設けた、選挙期間中における「社会的・政治的議論」の例外の範囲を明確にするよう勧告します。

2. 事例の説明と背景

これらの事例は、2023年6月の総選挙の頃にギリシャの異なる利用者によって投稿されました。この選挙は、いずれの政党も過半数の議席を獲得できなかった5月の選挙に続いて実施された、この年における同国2回目の選挙に関連するものです。

1件目の事例では、ギリシャの「スパルタンズ」党の立候補者であったFacebook利用者が、自身の写真と名前を含んだ選挙ビラの画像を、選挙運動(選挙準備および一般市民との交流を含む)を説明するギリシャ語でのキャプションと併せて投稿しました。この選挙ビラには、イリアス・カシディアリス氏による「スパルタンズ」の支持に言及する発言が含まれていました。

カシディアリス氏は、「黄金の夜明け」の活動を指揮したとして禁錮13年の判決を受けたギリシャの政治家です。「黄金の夜明け」は、ギリシャのラップ歌手の殺害を含むヘイト犯罪の責任を問われ、2020年に犯罪組織に指定されました。2013年には、「黄金の夜明け」の2人のメンバーがパキスタン人の移民労働者を殺害したとして有罪判決を受けました。カシディアリス氏およびその他の「黄金の夜明け」のメンバーは、移民や難民、その他の少数派グループ、攻撃の対象になりやすいグループの排斥に積極的に関与しています。2012年の「黄金の夜明け」運動で、カシディアリス氏は、ロマ民族のコミュニティを「human trash」(人間のゴミ)と呼び、自身の支持者に対し「fight [...] if they wanted their area to become clean」(地域を浄化したいならば戦え)と呼びかけました(パブリックコメントを参照。例: ACTROMによるPC-20008、ロマ民族のためのロマ民族による行動)。

カシディアリス氏は、2020年に判決が下される前に「National Party ‐ Greeks」という新たな政党を立ち上げました。2023年5月2日、ギリシャ最高裁判所は、ギリシャ憲法に最近盛り込まれた、有罪判決を受けた人物が率いる政党が選挙に参加すること禁じる修正条項に基づき、2023年6月の選挙に出馬する資格を「National Party – Greeks」から剥奪しました。複数の国際地域報道機関は、2023年6月の選挙前に、カシディアリス氏が自身のソーシャルメディアアカウントを利用して獄中から「スパルタンズ」の支持を表明したと報告しています。同氏は、ヘイトスピーチを理由に2013年にFacebookからブロックされており、現在では他のソーシャルプラットフォームを主に利用しています。

2件目の事例では、異なるFacebook利用者が「National Party ‐ Greeks」のロゴの画像を投稿しました。これには、「スパルタンズ」と翻訳されるギリシャ語の単語も含まれています。

「スパルタンズ」党は、2017年にヴァシリス・スティグカス氏によって設立され、European Center for Populism Studiesによると、極右イデオロギーを掲げ、政党「黄金の夜明け」党の後継的存在です。「スパルタンズ」は、2023年5月の選挙には出馬していませんが、同年6月の2回目の選挙に参加するための申請は行っています。ギリシャ法では、政党は国民議会選挙に参加するにあたりそのための申請を提出することが義務付けられており、申請後に裁判所の認定を受ける必要があります。2023年6月8日、ギリシャ最高裁判所は、「スパルタンズ」を含む26の政党、4つの政党連合、および2人の無所属立候補者が2023年6月の選挙に参加することを許可する決定を下しました。スティグカス氏は、「スパルタンズ」党が確保した12議席(4.65%)のうちの1議席を獲得し、カシディアリス氏の支持が「drove their success」(同政党の成功を促した)と発言しました。

ギリシャにおける市民社会スペースでは、難民、移民、LGBTQIA+コミュニティ、宗教的少数派の人権を標的にする過激派のグループおよび個人による脅迫および攻撃の増加が顕著になっています。ギリシャ政治学者人権擁護者および地域NGOは、「黄金の夜明け」の関連グループを含む極右グループが主要なソーシャルメディアプラットフォームを利用して偽情報やヘイトスピーチを拡散しており、オンラインとオフラインでの積極的な活動を通じたこれらのグループの影響がFacebookなどのプラットフォームで見える範囲を超えて及んでいることを懸念しています(パブリックコメントを参照。例: Far Right Analysis NetworkによるPC-20017)。

フリーダム・ハウスによる年次報告「Freedom in the World」(2023年)は、ギリシャの自由度を100点満点中86点と評価しており、ギリシャのメディア環境は自由度が高く、一般的に非政府組織は当局の介入なしに運営できていることを指摘しています。それでもなお、Reuters Institute for the Study of Journalism国際新聞編集者協会Incubator for Media Education and Developmentにより公開された最近の調査では、ギリシャのメディア、特にジャーナリストや一斉配信メディアへの信頼の大幅な低下が浮き彫りになっています。政治とビジネスがジャーナリズムに及ぼす影響に関する懸念がメディアのデジタル化の高まりと相まって、こうした信頼失墜の主な要因となっています。これらの調査では、情報操作、検閲およびメディアの独立性の低下に関する懸念も浮き彫りになっています。

Metaに報告されたこれらの事例の投稿のコンテンツは、人間による審査の後、Facebookの危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に違反すると判断されました。Metaは、これらのアカウントの両方に対して、厳しいストライクと30日間の制限を適用し、アカウントを一時停止することなくライブ動画および広告製品を利用できないようにしました。コンテンツを投稿した両方のFacebook利用者は異議を申し立てましたが、Metaはこれらのコンテンツはいずれも違反である再び判断しました。これを受け、これら2人の利用者は委員会に対して別々に異議を申し立てました。

3. 監督委員会の権限と範囲

委員会には、コンテンツを削除された利用者からの異議申し立てを受けて、Metaの決定を審査する権限があります(憲章第2条第1項、定款第3条第1項)。同様の問題を提起する事例を委員会が特定した場合、これらの事例は一括してパネルに割り当てられ、まとめて審査される可能性があります。この場合、各コンテンツに関して拘束力のある1つの決定が下されることになります。

委員会は、Metaの決定を維持するか、または無効とすることができ(憲章第3条第5項)、この決定は同社に対して拘束力があります(憲章第4条)。Metaは、類似した文脈にある同一のコンテンツについて、委員会の決定の適用が実現可能かどうかについても評価しなければなりません(憲章第4条)。委員会の決定には、拘束力のない勧告を含めることができ、Metaはこれに回答しなければなりません(憲章第3条第4項、第4条)。Metaが勧告に基づき行動することを約束する場合、委員会はその実施をモニタリングします。

4. 先例および指針の資料

本事例における委員会の分析は、次に掲げる基準および先例に基づいて行われました。

I. 監督委員会の決定

II. Metaのコンテンツポリシー

危険な団体および人物に関するコミュニティ規定のポリシーの基本理念には、「実際の危害や損害の発生を防止するため、暴力的な使命を掲げる個人や団体、および暴力行為に関わる個人や団体によるMetaのプラットフォームの利用は認めません」と説明されています。Metaは、「このような個人・団体については、オンラインおよびオフラインでの行動、特に暴力とのつながりに基づいて」評価します。

このポリシーの基本理念によると、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定のレベル1に指定される団体および人物は、テロ組織、犯罪組織およびヘイト団体の3つのカテゴリに分類されます。レベル1は、一般市民に対する暴力を組織化または擁護したり、保護特性に基づいて人々の人間性を繰り返し否定したり、そうした人々への危害を擁護したり、組織的な犯罪行為に関与したりするなど、オフラインでの深刻な危害を及ぼす個人・団体に焦点を当てています。このポリシーの基本理念では、Metaはレベル1に指定される団体は「オフラインでの危害と最も直接的に関係する」と考えており、最も広範な施行を講じると述べられています。

Metaは、「ヘイト団体」を、保護特性を理由に、他者に対する差別行為を広め、奨励する団体または個人と定義しています。ヘイト団体の活動は、「保護特性を理由に人びとを標的とした暴力、脅迫的な発言、または危険な形態の嫌がらせ、繰り返し行われるヘイトスピーチ、ヘイト思想やその他の指定ヘイト団体に関する表現、その他の指定ヘイト団体やヘイト思想に対する賛美または支援」といった行動のいくつかによって特徴付けられるとMetaは述べています。

2023年6月時点で有効であった危険な団体および人物に関するポリシーのレベル1に基づき、Metaは「これらの団体のリーダーや著名なメンバーがプラットフォーム上で活動すること、その象徴であるシンボルをプラットフォーム上で使用すること、また、こうした団体やその行為を称賛するコンテンツ」を許可していませんでした。その当時、「称賛」は「指定された個人・団体やイベントについて肯定的に語ること」または「指定された個人・団体やイベントのイデオロギーに同調すること」と定義されていました。2023年12月における危険な団体および人物に関するポリシーの更新以降、同社は、「レベル1の個人や団体、そのリーダー、創設者、著名なメンバーに対する賛美、支援、およびそれらを表現したもの、ならびに不明瞭であってもそれらに言及したもの」を削除しています。これには、「指定された個人・団体による暴力やヘイト行為を賛美するものではない、不明瞭なユーモアや、キャプションのない言及、肯定的な言及」が含まれます。

Metaは、指定された団体またはその活動を取り上げるコンテンツを共有する場合はその意図を明記するよう利用者に求めています。危険な団体および人物に関するポリシーは、利用者が指定された団体や個人またはその活動を報告したり、中立的な立場で議論または非難したりすることを許可しています。Metaは、この例外を2023年8月に更新し、利用者が「社会的・政治的議論」の文脈において危険な団体や個人またはその活動に言及するコンテンツを共有できることを明確にしました。ニュースルームの投稿でMetaが公表しているとおり、「社会的・政治的議論」に関する更新済みの例外には、選挙の状況下において共有されるコンテンツも含まれています。

委員会が行ったコンテンツポリシーの分析は、Metaが「何よりも大切にしている」とする「意見」に対するMetaの価値観と、Metaが重んじる「安全性」の価値観にも基づいています。

他の人に知らせる価値への配慮

Metaは、他の人に知らせる価値への配慮を、危険な団体および人物に関するポリシーを含む、コミュニティ規定内のすべてのポリシー分野にわたって適用できる一般的なポリシーの例外と定義しています。これにより、違反コンテンツであっても、その公益的価値が危害のリスクを上回る場合には、プラットフォーム上に維持することが認められます。Metaによると、こうした評価は、コンテンツポリシーチームへのエスカレーション後に、ごく「例外的」に行われます。このチームは、問題のコンテンツが公衆衛生や安全への差し迫った脅威を明るみにするものかどうか、あるいは政治的プロセスの一部として現在議論されている見解を表明するものかどうかを評価します。この評価では、各国ごとの状況(選挙期間中であるかなど)を検討します。発言者が誰であるかは重要な検討事項ですが、配慮が適用されるのは、報道機関が投稿したコンテンツに限られません。

III. Metaの人権保障責任

国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)は、国連人権理事会により2011年に採択された、人権に関して民間企業が負う責任について自主的な枠組みを定めた基準です。Metaは2021年、企業人権ポリシー発表しました。同ポリシーで、MetaはUNGPsに従って人権の尊重に注力することを再確認しました。委員会は、本事例での人権に対するMetaの責任について、次に掲げる国際基準に基づき分析しました。

  • 意見と表現の自由の権利: 市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第19条および第20条、規約人権委員会の一般的意見34 (2011年)、デジタル時代の表現の自由と選挙に関する共同宣言、意見および表現の自由に関する国連特別報告者、メディアの自由に関する欧州安全保障協力機構(OSCE)代表、表現の自由に関するOAS特別報告者(2022年)、意見および表現の自由に関する国連特別報告者の報告書(A/HRC/28/25、2018年)。
  • 結社の自由の権利: ICCPR第22条、平和的な集会および結社の自由に関する国連特別報告者の報告書(A/68/299 (2013年)、A/HRC/26/30 (2014年))、
  • 生命に対する権利: ICCPR第6条、
  • 公務に参加する権利と投票権: ICCPR第25条、
  • 差別を受けない権利:ICCPR第2条および第26条、
  • 拷問、非人道的な取り扱い、および品位を傷つける取り扱いを受けない権利: ICCPR第7条、
  • 権利の破壊の禁止: ICCPR第5条、UDHR第30条。

5. 利用者からの陳述書の提出

これらの2件の事例における各投稿の作成者は、コンテンツを削除するというMetaの決定について委員会に異議を申し立てました。

委員会への陳述書において、1件目の事例の利用者は、自身がギリシャ議会選挙に参加している正当なギリシャの政党からの立候補者であると述べ、アカウントへのストライクの適用により自身のFacebookページを管理できなくなったことを強調しました。

2件目の事例の利用者は、「スパルタンズ」党のロゴを共有したことを主張するとともに、当該投稿が削除されたことに驚きを示しました。

6. Metaからの情報提供

Metaは、委員会に対し、両事例のコンテンツを削除するという決定は、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に基づいていたと伝えました。

同社は、「黄金の夜明け」と「National Party – Greeks」がレベル1のヘイト団体に、カシディアリス氏がレベル1のヘイトフィギュアに指定されていることを委員会に説明しました。「National Party – Greeks」が指定されたのは2023年5月5日のことです。Metaは、委員会の質問に対する回答で、団体の指定は、一連の指定シグナルに基づく独立したプロセスで行っていることを明らかにしました。

同社は、1件目の事例では、Facebook利用者がカシディアリス氏について肯定的な発言をすることで、指定された団体を称賛していたと述べました。「イデオロギーへの同調」を表現することは、禁止された称賛行為の例として挙げられていました。この投稿のキャプションでは、当該利用者が自身の議会選挙運動を紹介し、所属する「スパルタンズ」党を支援する選挙ビラを配布していることが示されていたとMetaは説明しました。一方で、この選挙ビラでは、カシディアリス氏が「supports the party Spartans」(「スパルタンズ」党を支持している)とも述べられており、指定された人物であるカシディアリス氏が当該利用者の政党を支持していることが明示的に強調されています。Metaにとって、当該利用者は、カシディアリス氏の支持を宣伝することによって、同氏への同調を公にしています。Metaは、2023年12月に実施した危険な団体および人物に関するポリシーの更新後において、1件目の事例の投稿は「指定された団体による暴力やヘイト行為を賛美するものではない肯定的な言及」を禁止するルールに違反するものであると委員会に伝えました。当該投稿には、カシディアリス氏、または同氏の暴力的あるいは悪意のある活動への明示的な賛美は含まれていませんでした。

2件目の事例では、Metaは、説明のキャプションを添えることなく、指定された団体である「National Party - Greeks」のロゴを共有することは同政党の称賛であるとみなし、当該コンテンツを削除しました。Metaは、委員会に対し、2023年12月に実施した危険な団体および人物に関するポリシーの更新後において、2件目の事例の投稿は、カシディアリス氏または同氏の暴力的あるいは悪意のある活動への明示的な賛美を含んでいないものの、当該利用者が説明のキャプションを添えることなく「National Party - Greeks」への言及(シンボル)を共有するものであるため、削除されると伝えました。

Metaは、いずれの利用者も指定された団体またはその行動を「報告したり、中立的な立場で議論または非難したり」する意図を明確に示していなかったため、これらの投稿には2023年6月時点で有効であった危険な団体および人物の例外は適用されないと判断しました。

Metaによると、「社会的・政治的議論」を許可するように再構成された2023年8月における当該例外の変更以降、こうした判断が下されています。Metaは、委員会の質問に対する回答で、「社会的・政治的議論」の例外は、「選挙などの定義済みのカテゴリに関連する明示的な文脈を含む一部のコンテンツ」を許可するために導入されたと述べました。それ以前においては、こうしたコンテンツはポリシーに基づき削除される可能性があったものです。Metaは、正式な選挙プロセスに登録および参加する指定された団体の称賛またはその言及をすべて削除することは、人びとが選挙や立候補者について議論することを過度に制限しかねないと懸念していました。しかしこの例外は、指定された団体に代わって選挙運動に関する公式資料を配布したり、公式のプロパガンダを流布したり、公式コミュニケーションチャネルを許可したりすることによって当該団体に対し運営上または戦略上の具体的な利益を提供するといった実質的な支援を対象として含むことを意図していません。

Metaは、委員会の質問に対する回答で、社会的・政治的議論の例外は、選挙に参加する指定された団体に関する議論を許可することと、指定された団体への実質的な支援または賛美を削除して安全を確保することとの間にバランスを取るための試みであったと説明しました。Metaは、選挙プロセスに登録し、正式に参加する団体に対する配慮を意図的に重視したと述べています。こうした配慮は、指定された団体による暴力的または悪意のある行為の賛美、または指定された団体への実質的な支援の提供を削除する一方で、公職選挙の立候補者に関する議論を認めることを目的としています。Metaは、「この配慮を設ける目的は、指定された団体が選挙に出馬する場合に利用者が自身の選好についての見解を表現できるようにすることであり、指定された団体がそのアジェンダを共有するために既存の選挙プロセスおよびMetaの施行を回避できるようにすることではない」と付け加えました。

2件目の事例について、コメント(例: 「National Party ‐ Greeks」を非難したり、中立的な立場で議論したりしているキャプションなど)を追加することなく、「スパルタンズ」であることが特定されるテキストを添えて「National Party - Greeks」のシンボルまたはロゴを共有することでは、利用者の意図が明確に示されていないという理由により、更新後のポリシーに基づく社会的・政治的議論の例外は適用されないとMetaは結論付けました。さらに、2件目の事例においても、指定された団体である「National Party - Greeks」がギリシャ総選挙への参加資格を剥奪されていたため、この例外は適用されませんでした。

委員会はMetaに書面で5件の質問をしました。質問は、危険な団体および人物に関するポリシーに基づくMetaの「社会的・政治的議論」への配慮の適用、指定プロセスの透明性、ポリシーに基づく指定された団体のリストに関連するものでした。Metaはこれら5件の質問に回答しました。

7. パブリックコメント

監督委員会には、提出条件を満たす15件のパブリックコメントが寄せられました。これらのコメントの13件は欧州から、2件は米国・カナダ地域からのものでした。公開への同意とともに提出されたパブリックコメントを読むには、こちらをクリックしてください。

提出されたパブリックコメントでは、ギリシャの政党に関する議論を含むギリシャにおける政治的な背景、2023年にギリシャで実施された選挙およびソーシャルメディアが選挙結果にもたらす影響、ギリシャとその他のヨーロッパ諸国における極右グループおよび過激派グループ、これらのグループによるソーシャルメディアプラットフォームの利用、ギリシャにおける最近の法改正とそれが2023年の選挙にもたらした影響、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーに基づく団体リストの透明性の重要性といった主題が取り上げられていました。

8. 監督委員会による分析

委員会がこれらの事例を選定したのは、特に指定された団体やそれらに関連する個人が政治的議論に積極的に参加する選挙期間中において、Metaの危険な団体および人物に関するコミュニティ規定が表現の自由や政治参加に与える影響を評価するためです。これらの事例は、委員会の「選挙および市民空間」、ならびに「社会から疎外されたグループに対するヘイトスピーチ」という戦略的な優先事項に該当します。委員会は、このコンテンツが復元されるべきか否かという点について、Metaのコンテンツポリシー、人権保障責任および同社が重んじる価値観を分析することにより検討を加えました。

8.1 Metaのコンテンツポリシーへの準拠

監督委員会は、両方の事例においてコンテンツを削除するというMetaの決定を支持します。

1件目の事例: 選挙立候補者の選挙ビラ

委員会は、Metaが「何よりも大切にしている」とする意見に対する取り組み、および選挙の状況下における意見の重要性の高まりに着目しています。委員会は、人びとが投票を行うにあたり最大限の情報にアクセスできるようにするため、Metaは指定された団体の活動について有権者と立候補者、政党が公の場で議論できるようにする必要があることを強調します。

委員会は、当該利用者が危険な団体および人物に関するポリシーのレベル1に指定されたヘイトフィギュアであるカシディアリス氏のイデオロギーに同調しているため、当該投稿は2023年6月時点で有効であった、指定された団体の「称賛」という禁止行為に該当すると判断します。関連のコミュニティ規定において、こうした同調は、禁止された「称賛」の例としてMetaがみなす行為として明記されています。2023年12月30日のポリシーの変更以降において、当該コンテンツは、指定された団体の暴力やヘイト行為を賛美するものではない肯定的な言及という禁止行為に該当します。

委員会の少数派にとって、イデオロギーへの同調に関するルールの適用は、カシディアリス氏が当該利用者を支持(「称賛」または「言及」)し、当該利用者がカシディアリス氏を支持していたわけではなかったため、直接的に明白なものではありませんでした。このルールを実際に適用するには、当該利用者がカシディアリス氏の支持に対して実質的に報いており、そのためイデオロギーへの同調に関するMetaのポリシーに抵触したという一定の推測が必要になります。

委員会の少数派は、当該投稿は危険な団体および人物に関するポリシーに違反し、2023年6月時点で有効であったポリシーの例外には該当しないものの、Metaは、当該投稿の公益性が危害のリスクを上回っていたことを考慮して、他の人に知らせる価値への配慮を適用して当該コンテンツをプラットフォームに残すべきであったとしています。当該投稿は、有罪判決を受けた犯罪者による選挙立候補者への支持について投票者に直接に情報を提供していました。これは、選挙の状況下において関連性の高い価値ある情報であり、新しい政党が参加していた2回目の選挙期間中においては特にそうであるといえます。危険な団体および人物に関するポリシーの2023年8月の更新以降においては、「社会的・政治的議論」の例外に基づき、Metaは、ヘイトスピーチまたは具体的な危害の扇動を含んでいない場合、正当な候補者が指定された団体のイデオロギーに中立的な立場で同調することを許可すべきであると、これらの少数派メンバーは指摘しています。これにより、投票者が意思決定において最大限の情報にアクセスできるようになります。

2件目の事例: 「National Party - Greeks」のロゴおよび「スパルタンズ」というスローガン

委員会の過半数は、当該画像は、指定されたヘイト団体である「National Party - Greeks」のシンボルを共有していたため、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に違反すると判断しています。

当該利用者が「National Party - Greeks」またはその活動を「報告したり、中立的な立場で議論または非難したり」するために「National Party - Greeks」のロゴを法的な資格のある政党「スパルタンズ」の名前とともに掲載したという意図を文脈において示していないため、当該投稿は2023年6月時点で有効であったポリシーの例外に該当しません。委員会の過半数は、当該投稿をナチスの引用に関する事例と区別しています。この事例では、文脈上の手がかりを基に、利用者の投稿が指定されたヘイト団体について中立的な立場で議論していると委員会は結論付けました。また、この事例の利用者は、有名な歴史的人物のイデオロギーへの同調を示すことなく、「ドナルド・トランプ大統領とナチス政権を比較する」試みとして、その人物の言葉の引用に言及していました。本事例では、このような文脈は見られません。2023年12月30日のポリシーの変更以降においては、本事例のコンテンツは、指定された団体への言及(シンボル)をその説明のキャプションを付けずに共有しているため削除されます。

委員会の少数派は、当該投稿について、危険な団体および人物に関するポリシーに違反していると判断されるべきではなかったとみなしています。この少数派は、単にロゴを共有することは、他の違反や有害な意図を示す文脈がない場合、プラットフォームで許可されるべきであると指摘しています。

8.2 Metaの人権保障責任の遵守

委員会は、両事例のコンテンツを削除するMetaの決定は、同社の人権保障責任に則っていると判断します。

表現の自由(ICCPR第19条)

ICCPRの第19条(2)では、表現に対する幅広い保護を規定しており、「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝えること」を含むと述べられています。保護される表現には、「政治的議論」、「公共分野に関する意見」、および「極めて不快」とみなされる可能性のある表現が含まれます(一般的意見34 (2011年)、第11項)。選挙の状況下においては、表現の自由の権利には、地域的・国際的なメディアを含む政治的意見の情報源へのアクセス、および「野党およびその政治家による報道機関へのアクセス」も含まれます(一般的意見34 (2011年)、第37項)。

国が表現を制限する場合、その制限は合法性、正当な目的、および必要性と相応性の各要件を満たさなければなりません(ICCPR第19条第3項)。これらの要件はよく「3要素のテスト」と呼ばれます。委員会は、審査対象であるコンテンツに関する個別の決定、およびこれがコンテンツガバナンスに対するMetaの幅広いアプローチについて示す内容の両方に関して、この枠組みを用い、人権に対するMetaの自主的な取り組みを解釈します。表現の自由に関する国連特別報告者が述べているとおり、「企業には政府と同じ義務はないが、影響力が高いため、ユーザーの表現の自由に対する権利の保護に関して、企業も政府と同様の問題を評価する必要があります」(報告書A/74/486第41項)。

I. 合法性(規則の明確さとわかりやすさ・閲覧可能性)

国際的な人権法に基づく合法性の原則により、表現を制限する規則は、明確でわかりやすく、公開されていることが求められます(一般的意見34、第25項)。表現の制限は、個々人がその制限に従って行動できるようにするために、十分明確に策定しなければなりません(同書)。これをMetaに当てはめると、同社は、プラットフォームで認められるコンテンツとそうでないコンテンツに関するガイダンスを利用者に提供すべきです。また、表現を制限する規則は、「(規制の)施行を担当する者に対して、その制限に関して自由裁量を与えるものであってはならず」、「どういった表現が適切に制限され、どういった表現が制限されないのかを、施行を担当する者が確かめられるよう、十分な指針を提示」しなければなりません(A/HRC/38/35、第46項)。

1件目の事例については、「ナチスの引用」に関する事例における委員会の勧告2への対応として危険な団体および人物に関するポリシーの一般向けの文言に「称賛」の例が複数追加されたことに委員会は着目しています。「指定された団体または出来事のイデオロギーへの同調」の禁止の例が明示的に示されたことで、1件目の事例の利用者とMetaのルールを施行するコンテンツ審査担当者にとって当該ルールは十分に明確でアクセス可能なものになっていました。委員会は、この例が2023年12月の更新で削除されたことに注目しています。

2件目の事例については、利用者が指定された団体を報告したり、中立的な立場で議論または非難したりしている意図を明示している場合を除き、指定された団体のシンボルを共有することをMetaのポリシーが禁止していることは、十分に明確であり、合法性テストの基準を満たすことに委員会は同意します。さらに、2件目の事例に関していえば、危険な団体および人物に関するポリシーの例外は、その2023年8月の改正の前後において合法性テストの基準を満たすものであると委員会は判断します。

それでもなお、委員会はヘイト団体の指定のあり方、および危険な団体および人物に関するポリシーのレベル1に含められている団体についての透明性の欠如を懸念しています。こうした透明性の欠如は、利用者がイデオロギーへの同調を表現したりシンボルを共有したりすることが認められている、もしくは禁止されている団体を利用者が理解することを困難にしています。

レベル1のテロ組織には、米国政府が海外テロ組織(FTO)または特別指定国際テロリスト(SDGT)として指定する団体および個人が含まれ、レベル1の犯罪組織には、米国政府が特別指定麻薬取引人(SDNTK)として指定する個人が含まれます。米国政府は、FTO、SDGTおよびSDNTKの指定リストを公開しており、少なくともこれらの一部はMetaの危険な団体および人物の指定に合致しています。しかし、レベル1の「ヘイト団体」の指定に関してMetaが提供する完全リストは、それに相当する米国の公開リストに基づくものではありません。委員会は、「ナチスの引用」に関する事例において、レベル1の団体のリストについてその透明性の改善を求めましたが、Metaは「安全上の理由」によりこれを拒否しました。

アルジャジーラの投稿のシェアに関する事例での勧告1への対応として、2023年8月の更新以降、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーの一般向け文言には、当該例外のいくつかの適用例が補足されています。追加された例のいずれも、選挙の状況下における更新後のポリシー例外の適用のあり方を具体的に示していないため、当該例外の全体的な範囲は利用者にとって明白ではないと委員会は判断します。世界的に市民空間の閉塞化が進み、メディアの自由に対する脅威がある状況において、ソーシャルメディアプラットフォームは計り知れない価値を持つ情報源として機能します。選挙期間中における更新済みのポリシーの例外の範囲が不確実であることを踏まえれば、選挙を迎える利用者は、レベル1に指定された団体である可能性もある選挙立候補者およびその支持者について、どのような議論に関与できるのか確信を持てない可能性があります。

委員会は、Metaが定める、イデオロギーへの同調という形態での「称賛」および指定された団体のシンボルの共有の禁止(2023年6月時点で有効)は、合法性の基準を満たすものであったと判断します。しかし、選挙の状況下において認められる、指定された団体に関する「社会的・政治的議論」の範囲については、さらなる明確化が求められます。

II. 正当な目的

表現の自由を制限するには、正当な目的を追求するものである必要があります。正当な目的には、他の者の権利の保護、公の秩序や国家安全保障の保護などがあります。

ポリシーの基本理念によると、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーは「実際の危害や損害の発生を防止する」ことを目標としています。委員会は、いくつかの決定において、Metaの危険な団体および人物に関するポリシーは他者の権利を保護するという正当な目的を追求するものであると判断しています(ナチスの引用報道におけるタリバンへの言及インドのRSSに対するパンジャブ人の懸念を参照)。委員会は、これら2件の事例においても、Metaのポリシーは、平等の権利および差別を受けない権利(ICCPR第2条および第26条)、生命に対する権利(ICCPR第6条)、拷問、非人道的な取り扱い、および品位を傷つける取り扱いの禁止(ICCPR第7条)、公務に参加する権利と投票権(ICCPR第25条)といった、他者の権利の保護という正当な目的を追求するものであると判断します。

III. 必要性と相応性

必要性と相応性の原則は、表現の自由に対するいかなる制限も「その保護機能の達成に適したものでなければならず、その保護機能を達成する可能性がある手段の中で最も干渉性の低いものでなければならず、保護すべき利益に相応でなければならない」(一般的意見34、第33項および第34項)と規定しています。

選挙は民主主義にとって不可欠であり、世界中の大半の地域においてMetaのプラットフォームは政治的議論にとって事実上欠かすことのできないメディアとなっており、このことは選挙期間において特に当てはまります。民主主義との密接な関係を踏まえ、政治的発言には高度なレベルの保護が与えられています(一般的意見37、第19項および第32項)。表現の自由に関する国際的義務では、「デジタルメディアおよびプラットフォームは、利用者が多様な政治的見解および視点にアクセスできるようにする対策を導入するための合理的な取り組みを行う必要がある」ことが指摘されています(2022年共同宣言)。平和的な集会および結社の自由に関する国連特別報告者は「情報を求め、受け及び伝える自由を含め、政党による表現および意見の自由、特に選挙運動を通じたこれらの自由は、選挙の公平性を確保するうえで必要不可欠である」と述べています(A/68/299、第38条 (2013年))。

しかし、人権への悪影響を軽減するには、保護された政治的発言と、危害を深刻化させるおそれがあるため制限される可能性のある政治的表現とを区別することが極めて重要です。この点に関し、委員会が指摘しているとおり、Metaには、同社のプラットフォームの利用について人権への悪影響を特定し、予防し、軽減し、対処方法を説明する責任があります(UNGP、原則17)。

平和的な集会および結社の自由に関する国連特別報告者は、政党またはその立候補者が「暴力を使用したり、差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪を唱道」したりしている場合、それらに対し合法的な禁止措置を講じることができることを強調しています(ICCPR第20条、ICERD第5条)。ICCPR第20条およびICED第5条に基づく制限は、ICCPR第19条第3項に基づく必要性と相応姓の各基準を満たさなければなりません(一般的意見34、第50条〜第52条、CERD/C/GC/35、第24条および第25条)。

1件目の事例: 選挙立候補者の選挙ビラ

委員会の過半数は、危険な団体および個人に関するポリシーに基づき1件目の投稿を削除するというMetaの決定は必要性と相応性の原則を満たすものであると判断しています。この過半数は、利用者が有する、情報を共有および受ける権利を含む、選挙期間中における表現の自由の重要性を認識していますが、指定されたヘイトフィギュアのイデオロギーへの同調を表現する選挙立候補者の投稿をMetaが削除することは正当化されると判断しています。こうした禁止措置を講じるとともに、指定された団体またはその活動(選挙期間中における支持を含む)について、利用者が「報告したり、中立的な立場で議論または非難したり」することを認めることは、Metaの人権保障責任への取り組みに沿うものです。

本事例において、この過半数は、当該投稿をMetaのプラットフォームから削除することは、一般市民が有する、そこに含まれる情報を知る権利を不相応に制限していなかったと理解しています。ヘイト犯罪に関わった犯罪組織を主導したとして有罪判決を受けた、指定された人物による支持について伝えていた地域メディアの報道が複数あったことを踏まえると、一般市民が当該立候補者の政党へのこうした支持の表明について知る機会は他にあったといえます。これらの報道は、選挙の状況下で、実際の危害を深刻化させることなく正当な議論をすることを認めるポリシーの例外の適用対象になり得たと考えられます。

人権に対する悪影響を防止し、緩和し、これに対処するMetaの責任が選挙やその他のリスクの高い状況下では高くなるため、Metaは危害に対する効果的な保護策を確立する必要があります。Metaには、政治的見解の表明を認めること、および他の人権に対する深刻なリスクを回避することの両方の責任があります。選挙の状況下で暴力を扇動するためにMetaのプラットフォームが利用される潜在的なリスクを考慮すると、Metaは選挙の公平性への取り組みの効果を継続的に確認する必要があります(ブラジルの将軍による演説を参照)。世界中で複数の選挙が実施されていることを踏まえれば、危険な団体および人物に関するポリシーの慎重な施行、特に選挙の状況下における更新済みのポリシーの例外の施行は必要不可欠であるといえます。

委員会の一部のメンバーにとって、レベル1に指定された団体による支持を公開する正当な候補者の投稿は、候補者の選挙運動について情報を提供する行為ではなく、禁止措置を受けた政党と結社する行為です。このような公開行為は、レベル1に指定される団体に対しMetaが講じる同社サービスの利用禁止の措置を回避し、民主的なプロセスを損なわせるために使用される可能性があります(ICCPR第5条)。さらに本事例においては、存在していた当該連合について一般市民が知り得た機会は十分にあったため、当該候補者の投稿の削除は不相応な措置ではありませんでした。

委員会の少数派は、1件目の事例のコンテンツを削除することは、利用者が有する、選挙期間中に情報を共有および受ける権利を不相応に阻害していたと判断しています。これらの委員会メンバーは、Metaが「何よりも大切にしているとする表現に対する取り組み」に着目し、本事例では同社が意見に対して安全性を優先したことは誤りであったことを強調しています。有権者は候補者およびその活動に関する情報にアクセスできるべきであり、同様に、ギリシャ最高裁判所によって選挙への参加が認められている政党には、どのような情報をその候補者が公開できるかについて最大限の自由が与えられるべきです。本事例では、「スパルタンズ」は新しい政党であったため、投票者はこの政党についてまだ詳しく知らなかった可能性があります。

同時に、ギリシャでのメディアに対する信頼の低下(上記の第2条を参照)を考慮すると、投票者には正当な候補者に直接耳を傾けることのできる機会が必要だといえます。これは、候補者またはその政党が、選挙に出馬する資格を剥奪された団体、または危険な団体および人物に関するポリシーに基づき指定される可能性のある団体からの支持または忠誠を受けている場合は特に必要です。

これらの委員会メンバーは、ソーシャルメディアプラットフォームは候補者や政党について投票者が知ることができる、または知ることができないものを審判する立場であってはならないと指摘しています。これらのメンバーは、選挙という状況の重要性を考慮し、1件目の事例のコンテンツを削除することは、最も干渉性の低い措置ではなく、当該候補者の発言、および有権者が有する、情報にアクセスする権利を不相応に制限するものであったとみなしています。Metaは、こうした削除措置の代わりに、同社の価値観および人権への取り組みに則り、他の人に知らせる価値への配慮に基づいて当該投稿を残すべきでした。当該コンテンツが、正当な候補者が自身の選挙運動およびカシディアリス氏による支持について有権者に直接情報を伝えるものであり、ギリシャでの選挙期間中に公開されたことを踏まえれば、当該政党および候補者についてより詳しく知ることの公益性は危害のリスクを上回っていました。

2件目の事例: 「National Party - Greeks」のロゴおよび「スパルタンズ」というスローガン

2件目の事例について、委員会の過半数は、その投稿が指定されたヘイト団体のシンボルを共有していたため、Metaによるコンテンツの削除は必要かつ相応な措置だったと判断しています。指定された団体を報告したり、中立的な立場で議論または非難したりするために当該コンテンツが共有されていることを示す文脈上の手がかりがないため、この削除措置は正当化されるものでした。

委員会の少数派は、Metaが当該コンテンツを削除することは誤りであったとみなしています。この少数派は、当該コンテンツが有害であるかどうかを判断するにあたっては文脈の分析が必要であると指摘しています。暴力または不法行為の扇動を示すものがなく、単に指定された団体のシンボルを共有しているだけの投稿を削除することは不相応であり、危害から保護するための最も干渉性の低い措置であるとはいえません。

9. 監督委員会の決定

監督委員会は、両方の事例において投稿を削除するというMetaの決定を支持します。

10. 勧告

コンテンツポリシー

1. 利用者にとってより分かりやすくするため、Metaは、「社会的・政治的議論」の文脈において、「危険な団体や個人、その活動について報告、非難、または中立的に議論する」コンテンツを共有することを許可する、危険な団体および人物に関するコミュニティ規定に基づくポリシーの例外の範囲を明確にする必要があります。具体的には、Metaは、このポリシーの例外が選挙関連のコンテンツにどう適用されるかを明確にすべきです。

委員会は、Metaのコミュニティ規定を明確にするための変更が行われた時点で、Metaが勧告に従ったものとみなします。

*手続きに関する注記:

監督委員会の決定は、5名のメンバーからなるパネルにより準備され、委員会の過半数の承認を得ています。委員会の決定は、必ずしもメンバー全員の個人的見解を反映したものではありません。

本事例の決定のために、独立した調査が委員会に代わって委託されました。委員会は、ヨーテボリ大学に本部を置く、6つの大陸の50名を超える社会科学者からなり、世界各地の3,200名を超える専門家と連携する独立調査機関による支援を受けました。また、委員会は、地政学、信用と安全、テクノロジーを横断的に扱うアドバイザリー会社であるDuco Advisorsによる支援も受けています。このほか、ソーシャルメディアのトレンドに関するオープンソース調査に従事する組織、Memeticaによる分析の提供も受けました。

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